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特別寄稿《人事評価制度》| 制度構築

人事制度設計のプロが伝える 制度設計において押さえるべき3つのポイント

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 人事制度がうまく機能せず問題になっている企業は少なくありません。その理由として挙げられるのは、「現場の管理職が使いこなせていない」「現場に制度が浸透しない」「時代や会社の変化に合わせて刷新したが、うまくいかない」などです。このような現象に陥るのは、人事担当者が人事制度の役割を正しく理解せず、設計の際に「機能する制度」をつくるためのポイントを押さえていないからに他なりません。そこで本稿では、弊社の取り組み事例をもとに、人事制度を設計する際に押さえるべき3つのポイントを紹介します。

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ポイント①:社員に何を期待しているか明示すること

人事制度は社員に向けた期待のメッセージ

 人事制度と聞いて思い浮かべることは何だと思いますか。社員の成長を促すためのものなど、ポジティブに捉える方も一部いらっしゃるでしょう。しかし、制度の設計運用を担う人事部のみならず、評価者や被評価者も人事制度と聞くと「社員を評価するための判断基準」「社員を管理するためのルール」といったイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

 実は、この「人事制度とは何か」という問いの答えそのものが、人事制度を設計する際の大切なポイントの1つです。

 人事担当者が押さえておくべきことは、「人事制度とは、会社と社員をつなぐ存在である」ということです。人事制度とは、会社が社員に対し、今の仕事で何が求められていて、どこまでが責任の範囲であり、次のステージに上がっていくために何が求められているのかを明示するためのツール。つまり、企業から社員に向けた期待のメッセージが人事制度なのです。

 会社が期待する仕事の基準や成長が言語化されれば、どのような方向で努力をしていけばよいのか、社員は明確に理解できます。努力の方向が明確になることで、モチベーションを保ちながら仕事に取り組めるのではないでしょうか。

社員に対して求めるものを明文化したグレード制度

 弊社では、人事制度を「グレード制度(等級制度)」「評価制度」「報酬制度」の3つで構成しています。ここではグレード制度を取り上げ、弊社が社員に向けてどのように期待のメッセージを送っているのかを紹介します[1]

[1]: 実際には、期待のメッセージをどれか1つで送るのではなく、3つを通して送ることが大切です。

 グレード制度には、会社が求める人物像や能力をそれぞれのグレードに合わせて明文化し、会社が社員に対して何を求めているのかを伝えるという重要な役割があります。弊社は社員全員を「経営者」として育成しており、グレード制度も、8つのグレードを上がって行くにつれ、経営者としての実力が身に付くように設計しています。

 次図は弊社のグレード制度(等級制度)です。各グレードで必要とされることを明文化しています(図右側)。

アチーブメントのグレード制度(等級制度)
アチーブメントのグレード制度(等級制度)

 このように社員に期待することを明文化することで、会社が求める役割や能力が明確になります。そして、昇進昇格を目指す人は次のグレードに向け、内発的に仕事に取り組むようになるのです。

ポイント

  • 人事制度は会社と社員をつなぐ存在であり、社員に向けた期待のメッセージ
  • 会社が求めるものを明文化した制度をつくる
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この記事の著者

髙橋 優也(タカハシ ユウヤ)

アチーブメント株式会社 取締役経営管理本部長。早稲田大学卒業後、アチーブメントに新卒入社。入社時から人事担当者として、経営の根幹である組織づくりを代表・役員の下で行う。「会社は社員の自己実現の舞台である」という考え方に基づいた経営方針策定や人事評価制度構築・改定、中途・新卒採用プロジェクト、自社社員...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/5172 2023/10/02 08:00

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