シーベースは、360度評価や多面評価、マネジメントレビューなどと呼ばれる「360度フィードバック」の企業での活用状況の実態を把握するための調査を実施した。
結果のサマリーは次のとおり。
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- 360度フィードバックは企業の6割近くが導入している
- 全体の6割弱が360度評価を導入しており、大手企業ほど導入率が高まる傾向が分かった。
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- 主な活用目的は「人材開発」、次いで「組織開発」「人事評価・目標管理」と続く
- 活用目的は、「人材開発」「組織開発」「人事評価・目標管理」が上位3位であった。いずれも管理職が密接に関連する項目のため、管理職のマネジメントを通じた改善・解決を必要としていることも推察される。また、2022年結果と比較すると「ハラスメント対応への活用」の回答割合が2割ほど増加した。
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- 人事が360度評価に満足している点
- 人材開発・組織開発面では「気づきの機会」「マネジメント層の能力開発」「組織の風通し効果」「ハラスメント抑制」 、人事制度運用面では「配置転換・異動での参考」「人事評価・目標管理活用」「昇降格での活用」が多く挙がる。
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- 人事が360度評価に不満に感じる点
- 運用面では「簡単にできない・労力が多い」「実施目的を理解させにくい」、人事制度運用面では「人事評価・目標管理活用」、人材開発・組織開発面では「気づきの機会」「チーム最適思考へ」が上位であった。
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- 何らかのフォローがあると360度評価の実施意義を7割以上が実感する
- 研修や強みのフィードバック、読み解きフォローなどがある場合は7割以上が意義を実感することが分かった。
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- 評価対象者が感じる360度評価の効果
- 研修や読み解きフォローなどがあると、自分の強みの再認識割合は6割を超えてくるが、何らかのフィードバックやフォローがないとその割合は著しく低くなる。自身の結果を受け止め解釈を支援する機会があると強みの再認識につながりやすいことが分かる。
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- 評価対象者が感じる、改善点の気づきの効果
- 実施後の定期的なリマインド、定期面談、コーチングなどがあると自分の改善点に気づく割合は7割を超える結果となった。一方で、何らかのフィードバックやフォローがないとその割合は低くなる。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 都道府県:全国
- 対象者、サンプル数:
- 社員調査:360度評価(多面評価)を会社が導入している、評価者 or 被評価者 1000サンプル
- 人事調査:経営者、人事(組織開発、人材開発、人事評価等業務関与者) 242サンプル
- 実施期間:スクリーニング調査:2023年5月15日〜18日、本調査:2023年5月22日~29日
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