マイナビは、2024年卒採用の内定状況と2025年卒採用の見通しなどをまとめた「マイナビ 2024年卒企業新卒内定状況調査」の結果を発表した。
2024年卒の採用充足率は75.8%と2016年卒以降過去最低
2024年卒採用の充足率(内定者数/募集人数)は、75.8%であった。採用スケジュールが変更された2016年卒採用以降、同時期の調査としては初めて8割を下回り、過去最低の結果となった。内定者満足度は「質・量ともに満足」が22.4%となり、こちらも過去最低であった。
また、採用活動を終了する時期をみると、2月の調査と比べて、「12月」や「3月」と回答した企業がとくに増加しており、11月以降に採用活動を終了する予定の企業は計55.5%となった。
インターンシップの有無で採用充足率に13.3ポイントの差
採用充足率をインターンシップ・仕事体験の実施有無別に比較したところ、実施した企業は76.8%、実施しなかった企業は62.5%と、13.3ポイントの差があった。インターンシップ・仕事体験を実施した企業は、実施しなかった企業よりも採用充足率が高いことが分かる。
8割以上がインターンシップで得た学生の情報を採用活動に利用する予定
2025年卒採用から、一定の要件を満たしたインターンシップでは、参加学生の情報を採用活動に利用することが可能となった。要件を満たす「タイプ3・4」のインターンシップを実施予定の企業のうち、88.5%が情報利用の予定があると回答した。
最も利用予定が多いのは「応募データ(専攻内容・連絡先など)」(79.6%)で、採用広報解禁後の選考案内などに使うことを想定していると考えられる。次いで、「参加時に感じた適性・人柄」(67.6%)、「参加時の姿勢」(62.2%)と続く。
実施率が最も高いのはタイプ1の「オープン・カンパニー」
2025年卒の学生に向けたキャリア形成支援活動は、「オープン・カンパニー」の実施率が63.4%と最も高かった。
キャリア形成支援活動の実施にあたっての課題を聞いたところ、「タイプ3・4」を実施するには「マンパワーが足りない」「他の業務と掛け持ちしている中での実施は負担が大きい」といった理由で、タイプ1やタイプ2を選択しているというコメントが見られた。採用の難化により採用手法の多様化や内定者フォローなどの対応が増えており、採用業務に対して人手が不足しているため、「タイプ3・4」のように期間が長く現場の協力も必要なキャリア形成支援活動の実施は、ハードルが高いと感じる企業が多いようだと同社は述べている。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2023年9月6日~10月5日
- 調査方法:Web上のアンケートフォーム
- 調査対象:「HUMAN CAPITALサポネット」会員、マイナビ2024のサポートメール会員、新卒採用実績のある企業の採用担当者
- 調査機関:自社調べ
- 有効回答数:2381社