学情は、同社が毎年発表している「就職人気企業ランキング」において、コロナ前の2019年調査とコロナ禍の2020~2022年調査、現在の2023年調査の結果を比較した。
結果のサマリーは次のとおり。
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- トップは一貫して伊藤忠商事
- 2023年調査の1位は伊藤忠商事であった。伊藤忠商事は2018年調査から6年連続で首位の座を獲得している。6年連続トップは2001年以降で初めてであり、人気の高さがうかがえる。2022年度決算では、エネルギー・化学品、食料、住生活、金属など多分野で大きく収益を伸ばしており、好業績に加え、午後8時以降の残業を原則禁止する「朝型勤務」など、働きやすさの充実を図っていることも人気につながったのではないかと同社は述べている。
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- コロナ前はトップ10に「旅行」「レジャー」が3社ランクイン
- 2019年の調査では、2位のJTBグループを筆頭に、エイチ・アイ・エス、オリエンタルランドがトップ10にランクインしている。「商社」「食品」とともに、「旅行」「レジャー」が人気を集めていたことが分かる。
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- 2020年は味の素を筆頭に「食品」がトップ10に3社ランクイン
- 2020年の調査では、2位は味の素であった。10位のイオングループは食品スーパーが好調で、前年度の順位から60ランク以上伸ばしてランクインした。コロナ禍で「巣ごもり消費」を牽引した業界が支持を得ていることが分かる。
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- 2021年は講談社、集英社、任天堂が前年から順位を上げる
- 2021年調査では、2位の講談社が前年4位から順位を上げたほか、3位の集英社(前年11位)、5位の任天堂(前年6位)が順位を上げた。自宅で楽しめるエンタメが人気を集めていたようだと同社は分析している。
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- 2022年、2023年は「デジタルコンテンツ」提供企業が人気
- 2022年調査では、2位に任天堂がランクインしたほか、電子コミックが好調な講談社、集英社が5位以内にランクイン。2023年調査では、2位の講談社を筆頭に、3位が集英社、7位がKADOKAWA、9位が小学館と、出版社がトップ10に4社入った。電子コミックや動画、ゲームなど、デジタルコンテンツを提供する企業が、デジタルネイティブである学生から支持を集めているようだ。
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