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2024年2月1日(木)12:00~17:40

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人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

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イベントレポート《AI活用》| 生産性の向上(AD)

仕事の時間を60%削減 将来はあなたの親友やコーチにもなる?

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 2024年1月24日、米国Zoom Video Communications(以下、Zoom)の日本法人であるZVC JAPAN株式会社は、「AIの力を解放する:ビジネスの成功をもたらす方法とは」をテーマに、「働き方改革サミット」をオンラインで開催した。2023年には、AIを活用してさまざまな機能拡張を行ったZoom。本稿では、米国の最新ニュースを提供するメディア「The Atlantic」を運営するThe AtlanticのCEO ニコラス・トンプソン氏をゲストに迎え、Zoomの最高技術責任者兼AIエキスパート シュエドン・ファン氏とともに対談形式で行われた基調講演「AI活用時代におけるコラボレーションの再考」の模様をお届けする。

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生成AIを低リスク高リターンで活用するために

 30年にわたり、AIの進化において積極的な役割を果たしてきたファン氏。音声認識からコンピュータービジョンまで、AI開発の道のりは、絶え間ない混乱・適応・革新を繰り返す、曲がりくねったものだったという。

 過去を振り返ると、1億人が携帯電話を使い始めるのに16年、インターネットを使い始めるのに7年かかっているが、ChatGPTが1億人のユーザーを獲得するのには、わずか3ヵ月しかかかっていない。AIを取り巻く環境は、これほど急速に変化しているのだ。

 ファン氏はアクセンチュアが2022年7月に実施した調査結果を紹介した。消費者の64%は「変化するニーズに、どの企業がより迅速に対応するかを気にしている」と回答した一方、経営幹部の88%は「ビジネスが追いつく以上の速さで顧客が変化している」と答えているという。

 また、同調査内では「平均的な労働時間の62%が反復的かつ日常的なタスクのために時間が費やされている」と報告されている。「これでは、組織内で何か大きな変化が起こらない限り、従業員が顧客のニーズに追いつき、ビジネス上の必須事項を果たすことはできない」とファン氏は指摘する。

 少ないリソースで多くのことを成し遂げようとするときに、AIが何か貢献してくれるであろうと、誰もが理解し始めているだろう。しかし、そこには興奮だけでなく戸惑いや不安も入り混じっている。事実、ファン氏がビジネスリーダーや友人などと話をすると、誰もが同じ質問をするそうだ。「生成AIを、より身近で、重要かつ高品質なものにするには、どうすればよいか?」と。ビジネスを危険にさらすことなく、利益を享受する方法を探っているのだ。

 この疑問に答えるためファン氏は、『WIRED』の元編集長で、現在はThe AtlanticのCEOであり、ジャーナリズムとテクノロジー、デジタルイノベーションの分野に明るいトンプソン氏を紹介した。2人の対談の中から、いくつか重要な点を抜粋して紹介しよう。

シュエドン・ファン氏

シュエドン・ファン(Xuedong Huang)氏

Zoom Video Communications 最高技術責任者兼AIエキスパート

Zoom以前はマイクロソフトに在籍し、Azure AI CTOおよびテクニカルフェローを務めた。1993年にマイクロソフトの音声技術グループを立ち上げ、同社のAIチームを率いて、音声認識、機械翻訳、自然言語理解、コンピュータービジョンにおいて、業界初の“人間並み”を達成している。1989年にエディンバラ大学でEE博士号(英国ORSおよびエディンバラ大学奨学金による)、1984年に清華大学でCS修士号、1982年に湖南大学でCS学士号を取得。

Zoom AI Companionで時間を60%以上節約

トンプソン氏(以下、敬称略) まずは、生成AIアシスタントである「Zoom AI Companion」がいまどのように使われているのか、教えてください。

ファン氏(以下、敬称略) たとえば、Zoom AI Companionがあれば、Zoom Meetingで会議に出席するときに、議事録を作成するために誰かを同席させる必要がなくなります。もし要点を聞き逃しても、後でZoom AI Companionに聞けばいいのです。出席者はメモを取るために気を散らしたり、議事録を作成するための時間を取ったりすることなく、会議に集中できます。

 ただ、このような利便性はすばらしいことですが、コストも同時に重要です。そこでZoomでは費用対効果の高いアプローチを取ることにしました。最高品質のAIを提供するためにかかっているのは、GPT-4の推論コストとして使用している、サーバー費用全体の10%未満です。これにより、Zoomの有料版を利用しているお客様には、Zoom AI Companionの利用料を無料にすることができました

トンプソン それは確かにすばらしい。しかし、Zoom AI Companionを利用している人は、ツールに依存しすぎて、会議の内容に対する注意が薄れるようなことはないのでしょうか。

ファン AIの正確性は100%ではないと分かっていますから、あくまで“Companion(仲間)”として、その利点を最大限に活用しています。私が議事録を作成するときも、後で編集はします。ただし、おおよそ80〜90%はZoom AI Companionが作成してくれています。これは、1日の60%以上の時間短縮につながっていると思います。

トンプソン それは魅力的ですね。1日の60%以上時間を節約できたら、私はとても幸せになるでしょう。

Zoom AI Companionは世界を1つにつなぐ

トンプソン 私が最も関心を寄せている疑問の1つに、「AIは世界を平等にするのか? それとも不平等にするのか?」というものがあります。いくつもの理由により、AIは世界を不平等にするものであることが分かってきました。技術的に熟練した人が少なく、少数の企業にしか利益をもたらさないからです。しかし、Zoom AI Companionは真逆である可能性がある。Zoom AI Companionは、世界をより平等にするための方法の1つになると思いますか。

ニコラス・トンプソン氏

ニコラス・トンプソン(Nicholas Thompson)氏

The Atlantic CEO

『WIRED』の元編集長。CBSニュースの元コントリビューターであり、全米雑誌賞を受賞しWordPressに買収されたThe Atavist社の共同設立者でもある。以前はNewYorker.comの編集者、WIREDのシニアエディターを務めた。2021年には50kmレースで45歳以上のアメリカ記録を樹立。現在は、ランナーの心の動きに関する本の執筆と並行して、人々の会話を前向きで生産的なものにするSpeakEasy.aiを構築している。

ファン 確かに、いまのAIは非常に高価ですからね。AIの機能を提供している企業であれば、1人当たり月額50ドルもの高額な使用料を請求するところがほとんどでしょう。それでも、平凡なタスクをこなしたり、メモを取らせたりするためのアシスタントを連れ歩くよりは、まだ安いものですが、誰にでも支払えるものではありませんよね。ある大企業のCTOは、Zoomの有料ユーザーアカウントを利用している場合、Zoom AI Companionが無料だと知ったときに、「これなら組織全体に利益をもたらせる!」と大いに喜びました。

 もう1つ強調したいのは、世界では7000もの言語が使われており、誰もが英語を話せるわけではないということです。Zoom AI Companionが7000の言語に対応しているわけではありませんが、33の言語に対応するために最善を尽くしてきました。英語を話せない人や、英語をネイティブスピーカーほど理解できない人と会話をする場合、Zoom AI Companionがそのギャップを埋め、より良いコミュニケーションができるように非常な重要な役割を果たします。つまり、Zoom AI Companionはコストメリットがあるだけでなく、地球上すべての人々をつなぐことにも貢献できるのです

トンプソン それは魅力的ですね。私は英語を第2外国語として話すポルトガルのチームも雇うことができるでしょう。完璧にコラボレーションすることはできなくとも、Zoom AI Companionのおかげで確実により良いコラボレーションができるようになると思います。あなたは実際に、このような光景を目撃したことがありますか。

ファン もちろんです。私の個人的なエピソードをお話ししましょう。当時、学生だった私は、中国からスコットランドに旅していました。私は自分の英語力を高いと思っていましたが、エディンバラでスコットランド人教授の話を聞いたとき、何を言っているのかさっぱり分からなかったのです。ありがたいことにBBCが字幕を提供してくれていたので、徐々にスコットランド英語に順応していくことができました。この“字幕を付ける”という夢は、それから40年間、私を駆り立てました。

 それがいまでは、Zoomの一部になっているのです。Zoom AI Companionをオンにすると、字幕が表示され、議事録も作成できるようになりました。コミュニケーションにもがいていた当時の私も、今日ならもっとスムーズにコミュニケーションをとれるでしょう。

Zoom AI Companionはアシスタントからコーチへ進化する?!

トンプソン 他のAIモデルには、多くのリスクがありますよね。バイオウイルスを設計する、フィッシング攻撃するなど、あらゆる種類の間違った方向に進む可能性のある、恐ろしいリスクです。しかし、それでも会議の効率化などを考えると、使わない手はないでしょう。もちろん、プライバシーに関する懸念があるのは分かります。あなたは、この問題をどのように捉えていますか。

ファン プライバシーについては、たいへん懸念しています。ZoomがAIのトレーニングのために皆さんの会議の内容を使用することは、絶対にありません。議事録や要約には、会議に参加された人しかアクセスできません。これが私たちのこだわりであり、プライバシーやAIの安全性は、私たちにとって最優先事項です。

トンプソン 文字起こしされた会議の内容はサーバーから削除されるのでしょうか。

ファン デバッグのために短期間だけ保持しますが、その後は完全に削除します。お客様がリクエストしない限り、私たちが会議の内容にアクセスすることはありません。Zoomの従業員は誰も許可なしにお客様のデータにアクセスすることはできないのです。

トンプソン それはよかった。ところで、会議が録画されると、気軽な雑談が少し減ったように感じることはありませんか。ビジネスが早く進んでよいこともあるでしょうが、社会的なつながりが減ってしまうという意味では、悪いことでもあるように思うのです。あなたはどう思いますか。

ファン 会議が録画されると、ほとんどの人はより良い行動をするようになります。つまり、私たちはより良い世界にしているのです。それは良いことではありませんか? いずれにせよ、現代のデジタル世界では、「話したことはすべて、誰かに聞かれる仕組みがある」と思っておくべきです。Zoomのことではありませんよ。先ほども申し上げたとおり、Zoomが会議の内容をAIのトレーニングに使用することはありませんから。

トンプソン 最後に、Zoom AI Companionは今後どのように進化していくのか、教えてください。いまは会話の内容を忠実に書き起こして分析することに注力していると思いますが、今後はコーチのように、会議中の私の表情やジェスチャーに対して、何かアドバイスをしてくれるようになるのでしょうか。

ファン そうですね。能力的には、すでにその域に到達しつつあるように思います。大規模言語モデルは、あらゆる研究論文を読み尽くすことができるので。あなたがそれを望むのであれば、Zoom AI Companionは将来的にあなたの本当の親友になれるはずですし、Zoom AI Companionが実際にコーチの役割も担えるようになれば、私たちにとってもっと重要な存在になるでしょう。

トンプソン 今日はお招きいただき、ありがとうございました。

*     *     *

 この基調講演では、Zoom AI Companionが人々にもたらす便益が明らかにされた。たとえば、議事録作成にかかる時間を大幅に削減する。また、会議中の発言をリアルタイムに字幕化して使われている言語(英語など)が得意ではない人を交えた議論も支援してくれる。そのうえ、導入もしやすい。Zoomの有料版を使用しているユーザーは無料で利用できるのだ。

 一方で、AIの利用にリスクを感じる人もいる。AIのトレーニングに自社の議事録などが使われては、その内容が漏洩する恐れがあるためだ。この点、Zoom AI Companionはユーザーのデータをトレーニングに用いることはないという。経営層がトップシークレットな話をするといった場の会議やその議事録作成でも、安心して使えるわけだ。

 どれほどテクノロジーが進化しても、ビジネスを支えるのは人と人とのコミュニケーションであり、情報共有である。これを支援するZoom AI Companionは、業界・業種を問わず、心強いパートナーとなり得るだろう。

【ご案内】本イベントの録画と4月開催のイベント

「働き方改革サミット」のオンデマンド

セッション録画の視聴はこちらから。

画像:「働き方改革サミット」オンデマンド
「Zoom Experience Day Spring」を開催!

日時:4月12日(金) 13:15~18:30
場所:渋谷ヒカリエホール(東京・渋谷)
テーマ:AIの活用と働き方の未来
イベント詳細と参加登録はこちらから。

画像:Zoom Experience Day Spring

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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