ITエンジニア
渡邉 裕樹(わたなべ ゆうき)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 人事IT推進部 HRDXグループ シニアデータエンジニア
大学卒業後、SIerとしてキャリアをスタートし、SCMやDWHのシステム刷新、企業合併に伴うシステム統合に従事し、要件PHから運用保守まで幅広い実務を経験。その後、小売業の社内SEに転職し、全社データ分析基盤の刷新を構想企画から全社の展開まで実施。2022年6月より現職にて、人事領域のデータ基盤構築およびデータマネジメントを推進。
人事
田中 圭(たなか けい)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 人事デザイン部 人事データ推進グループ マネジャー
大学卒業後、不動産会社に入社。人事部門に配属され、主に労務管理・人事評価制度企画/運用・人事諸システム導入/運用などの業務に従事。2020年にパーソルキャリアに入社。現在は、人的資本最大化のため、システムやデータを活用したデータドリブン人事を推進。
ただ集めるだけではデータは活用できない
——データマネジメントとはそもそもどのようなことを行うのか。
渡邉 人事領域だとまだ耳なじみない方も多いのではないかと思います。データマネジメントとは、ビジネスにつなげられるように、業務においてデータを適切に活用できるよう維持管理していく活動です。データを蓄積しておくシステム基盤の構築や設計、データセキュリティ[1]、データの品質[2]など、さまざまな取り組みが含まれています。組織内の情報資産を最大限に活用し、意思決定や業務プロセスの改善に役立てるために重要な役割を果たします。
ただデータを集めるだけではうまく活用できないという課題が見えてきたことから、このような取り組みがより注目されるようになってきていますね。
注
[1]: データが不正アクセス、変更、破壊、または公開から保護することや、保護するための一連の手法。手法には暗号化、バックアップ、ツールの使用などが含まれる。
[2]: データ内容が目的に適しており、正確性や完全性、信頼性などの要素に基づいて一定の基準を満たしている状態。
——どのような背景から、パーソルキャリアの人事本部でデータマネジメントに取り組むことになったのか。
田中 前回(下記)、パーソルキャリアの人事本部では、社員1人ひとりが多様なキャリアを体現できる会社を目指して、さまざまな取り組みを進めていることを紹介しました。またその一環として、人事本部でもデータ基盤の構築を進めています。
しかし、データの運用状況を整理してみると、どのようなデータが組織内に存在するか、どこの部署がデータを管理しているのか、どの権限があればデータを閲覧・活用してよいか、といった情報収集や判断が十分にはできていませんでした。この状態のままデータを1箇所に集約したとしても、業務でのスムーズなデータ活用には至りづらいことは容易に想像できました。
実際、データ基盤を構築するかたわらでデータ分析のプロジェクトを進めていましたが、そもそもデータが存在するのかを確認し、担当者を見つけ、データの利用の承認をもらい、実際にデータを受け取る……といった一連の流れだけでも、長い場合には1ヵ月以上かかっていたのも事実です。
そんな中で人事IT推進部側からも「データ基盤の構築とともにデータマネジメントを通して、データを業務で活用できる状態を目指さないか」という提案をいただき、いっしょに取り組みを進めています。