今回の話者
人事
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牛見 佳奈子(うしみ かなこ)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 HRBP統括部 エクゼクティブマネジャー
大学卒業後、住宅メーカー、プロパティマネジメント会社を経て、2013年にパーソルキャリアへ中途入社。メンバーとして広告媒体の営業、タレントプール構築業務を担当。2017年からリーダー、2018年以降は管理職として、タレントプール構築を専門とした組織・法人個人両手型営業組織・求人票制作組織などを経験。2023年10月から人事本部へ異動しHRBPの立ち上げに関わっている。
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吉田 祥子(よしだ しょうこ)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 HRBP統括部 キャリア対話推進部 メンバー
大学卒業後、不動産営業を経て2008年株式会社インテリジェンス(現 パーソルキャリア株式会社)へ中途入社。派遣営業、キャリアアドバイザー、役員秘書を経験後、2021年10月より人事本部へ異動。現在は、社員のキャリアオーナーシップ前進を目的としたキャリア面談を担当。
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寺井 三奈(てらい みな)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 人事マネジメント統括部 人事サービス推進部 人事制度推進グループ メンバー
大学卒業後、物流会社に入社。人事部異動後に勤怠システム導入を担当。ベンチャーコンサルティング会社に転職しシステム導入・人事領域のコンサルティングに従事。2022年にパーソルキャリアへ中途入社。
ITエンジニア
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長谷川 智彦(はせがわ ともひこ)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 人事IT推進部 HRDXグループ リードデータストラテジスト
大学院卒業後、2020年にパーソルキャリアへ新卒入社。データアナリストとして事業のデータ分析案件やAIモデルの開発・改善作業、データ活用プロジェクトの企画・プロジェクトマネジメントを担当。2022年度から人事領域でのデータ活用やBI開発、人材育成に取り組んでいる。ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会の研究員も兼ねている。
公募での異動事例を従業員が自ら検索できるように
——HRBP統括部はどのような取り組みを行っているのか。
牛見 HRBP統括部は「戦略人事グループ」と「キャリア対話推進グループ」の大きく2つの部で構成されています。戦略人事グループでは、事業部門が計画した目標を達成するための人員計画や適所適材の配置を実現するために動いています。一方、キャリア対話推進グループでは、在籍する従業員の価値を高めていけるように、本人の意思やスキル・経験を踏まえたキャリアプランを考えるための面談を実施しています。
弊社は中長期経営指針のシーズナルミッションとして「多様なキャリアを一緒につくる」を掲げており、このミッションを推進できるよう、HRBP統括部では組織と従業員の両面での支援に取り組んでいます。
また弊社人事では、従業員のキャリアを体系的に支援するための施策を複数展開しています。たとえば、「キャリアライブラリ」と呼ばれる社内の公募型異動実績の検索ツールは施策の1つで、組織内でのキャリアパターンを知ることができます。そのほか、キャリアを“相談する”・“試す”ための施策も展開しています。さらに現在は、これらキャリア支援の効果を定量的に測定するための指標の開発にも取り組んでいます。
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——キャリアライブラリを開発した背景は何か。
吉田 先ほど牛見が述べたように、キャリア対話推進グループでは、従業員1人ひとりがキャリアオーナーシップを発揮できるようにキャリア面談を行っています。キャリア面談では従業員の状態に合わせながら自己理解、やりたいこと・ありたい姿の言語化、キャリアプラン策定などに伴走しています。
しかし、弊社の従業員数は約7000名(2024年3月時点)で、キャリア面談を受けに来る人も非常に大勢です。それだけ従業員が自身のキャリアについて真剣に考えてくれている裏付けだととらえていますが、我々の時間も限られており、公募型異動制度による異動事例の紹介にとどまってしまうケースもありました。
キャリアを考える機会を持ってもらうという点でいえば、面談の機会を設けるというだけでも、もちろん前進だと思います。ただ、我々としても異動事例の紹介にとどまるのではなく、キャリアをいっしょに考える時間をもっと増やしたい。そこで、公募型異動制度での異動事例を、個人情報は見えないように統計化したうえで、従業員が自ら検索できるようにキャリアライブラリの開発に踏み切りました。