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インタビュー《企業文化・カルチャー》| CHROに聞く、企業統合を成功させるための従業員との対話

2.4万人規模の企業統合の鍵は「組織文化」 レゾナックのCEO&CHROが世界中の従業員と対話する理由

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 2023年に昭和電工と旧日立化成が統合して誕生した株式会社レゾナック・ホールディングス。従業員数約2万4000名という大規模な企業統合は、人事にとっても難しい局面だ。そこで、同社CHROの今井のり氏は、CEOの髙橋秀仁氏とともに世界の各拠点を直接訪ねて年間60回以上のタウンホールミーティングを実施。従業員と直接会って対話し、新しい文化を醸成する活動に乗り出した。文化や価値観の異なる歴史ある大企業が、それぞれの人材と組織の強みを融合させ、同じパーパスに向かうためにはどのような実践が必要なのか。今回は今井氏に、統合前から行っていた取り組みと変革をドライブするヒントを聞いた。

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グローバル企業との最も大きな違いが人事機能だった

——今井さんがCHROに就任された当時の経緯を教えてください。

 私は日立化成側の責任者として、昭和電工側のリーダーである髙橋(現CEO)とともに経営統合のプロジェクトを牽引しました。日本企業のものづくりや研究開発のクオリティは高いのにもかかわらず、グローバル企業の業績に届かない理由を探る中で、「経営が原因ではないか」という仮説が髙橋の中にはありました。そこで、レゾナックの経営、特にCxO体制をどのように整えるかを検討する際に、グローバルのトップ企業をベンチマークしたのです。そこで見えた最も大きな差分が人事であり、CHROの機能でした。

今井 のり氏

今井 のり(いまい のり)氏

株式会社レゾナック・ホールディングス 取締役 常務執行役員 最高人事責任者(CHRO)

慶応義塾大学理工学部卒業後、旧日立化成に入社。経営企画、オープンイノベーション、海外営業米国駐在、蓄電池やモビリティー等の複数事業の企画・事業統括を経て、2019年日立化成執行役に就任。昭和電工との統合では、日立化成側の責任者として統合をリード。2022年から統合会社のCHROとして、ビジネスパートナーとしてのHR改革を推進、パーパス・バリューをベースとした新しい企業文化の醸成、事業戦略にマッチした人材育成に注力。

 端的にいえば、経営のミッションとして人事変革が求められていたのです。統合にあたって、企業としてのカルチャーを新たに創造する必要性を感じ、そのために人事未経験ながらも私がCHROに就任しました。CEOとなった髙橋からは、「(組織文化を)思いっきり変えるから、何かあったら刺されるのは自分と今井さんだけどいい?」と聞かれて、「大丈夫です」と答えました(笑)。

——今井さんは、もともと組織づくりや人事領域に関心があったのですか。

 数年前から、機能性材料メーカーの戦略を考えたときに、究極の戦略は人と文化に尽きると思っていたので、ぜひCHROをやりたいと思いました。

 企業価値は、「戦略」「個の力」「企業文化」の3つを掛け算したときに最大化すると考えています。「機能性化学メーカーを目指す」という戦略を実現するためには、トップダウンではなくフロントの1人ひとりが自律的に動けることが大切であり、個の力を最大化することが重要です。そして、そうした個々人が多様な個性を活かし、能力を発揮できる企業文化の醸成が大切だと考えました。

レゾナックとして新しい文化をつくる

——昭和電工と旧日立化成はそれぞれどのような組織文化を持ち、統合にあたってどんな課題があったのでしょうか。

 企業文化の違いというより、それぞれの事業部による違いが大きかったと思います。たとえば石油化学事業は、社会の重要インフラであり、けっして事故を起こすことのないよう規律の正しさや慎重さが求められます。一方で、半導体やディスプレイ材料は、短期間で変わるトレンドをいち早くキャッチし、対応していく機敏さが必要です。当然ながら両事業に求められる組織文化は異なります。

 そのため、2つの企業の落としどころをつくるのではなく、「1から新たな文化をつくりましょう」という方針になりました。機能性化学メーカーを目指すために望ましい働き方を企業文化として確立する。そのための、従業員の心の拠り所であり、判断基準として、まずはパーパス・バリューを制定しました。

レゾナックのパーパス・バリューと浸透施策
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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)

1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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