リンクアカデミーは、e-ラーニングを導入している企業の人事担当者・受講社員を対象に、「人材育成」に関する意識調査を実施した。
e-ラーニングの効果は「分からない」が半数以上
e-ラーニングを行ったことで効果を感じたかと聞いたところ、受講した社員の56.6%は「効果がない・分からない」と回答した。「とても効果があった」と回答した人は、8.2%に留まった。一方で、人事部の視点から「とても効果があった」と回答したのは19.2%で、人事部と社員の間に乖離が見られた。
効果を感じない理由は「業務に実践的ではない」
効果がなかった理由を質問したところ、人事部、社員ともに「業務に対して実践的ではない」が上位になった。導入した学習コンテンツが画一的な内容で、実務に直結しておらず、効果的に活用されていないことが示唆されたと同社は述べている。
また、「学習コンテンツが自分に合っていない」「フィードバックがない」という回答項目に、人事部と社員の間にギャップが見られた。「当人の意欲」が原因だと思っている人事部に対し、社員は「意欲を起こさせる仕組み」に原因があると思っていることが分かる。
社員のやる気と行動を引き起こすためには、学習者の職務・レベルに合った研修プランや、努力を定性的・定量的に可視化できる仕組みが必要だと同社は述べている。
半数以上が「想定量を視聴していない」
受講対象者のうち、想定しているコンテンツ量を視聴している人は何%いると思うか質問したところ、人事部、社員ともに約半数が「想定しているコンテンツ量を視聴している人は、50%未満」であると回答した。
また、社員は「分からない」と回答した人が27.9%で、育成進捗についての社内周知や強制力に課題がある様子がうかがえる。
受講が進まない要因は、「時間がない」が最多
受講率が低いのはなぜだと思うか質問したところ、人事部、社員ともに「受講する時間がない」が最も多く、次いで「受講するモチベーションが湧かない」と続いた。
一方、3番目に多かった回答は、人事部が「内容が希望と違う」(26.6%)と回答したのに対し、社員は「価値・意義を感じない」(18.9%)と回答。上位2つと合わせて、受講までの動機付けが弱いことが明らかになった。
また、受講率が低い主な原因として、時間不足やモチベーションの欠如に加え、提供されるコンテンツが、受講者である社員の期待や価値観に合致していないことが大きく影響していると同社は述べている。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:5月10日~11日
- 調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
- 調査対象:調査回答時に、①e-ラーニングを導入している企業の人事担当者/②社員であると回答したモニター
- 調査人数:1023人(①511人/②512人)
- 調査元:リンクアカデミー
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ
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