学研ホールディングスのグループ会社であるベンドは、同社が運営する「スキルアップ研究所」にて、「リスキリングに対する労働者の現場の意見調査」を行った。
会社のリスキリング環境が整っていると感じる人は約3割
自身が勤める会社のリスキリング環境について聞いたところ、整っていると感じる人は全体の3割程度であった。
会社に最も求めるのは資格取得への支援
「リスキリングをするために、会社に最も何を求めますか」と質問したところ、「資格取得に対する支援」が最多であった。資格取得はスキルアップやキャリアアップを目指す上で具体的な目標や実力の証明となるため、労働者から強く求められているようだと同社は述べている。
また、リスキリング活動に対する補助金の支給や、評価制度への組み入れなど、金銭的・制度的支援を包括的に講じることを企業に求める声も多いことが分かる。
寄せられたコメントは次のとおり。
- 費用について
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- キャリアアップのためのリスキリングは必須だと思っているので、金銭面の支援をまず一番にしてほしい
- 私の会社では資格の取得を推奨していますが、受験費用は自己負担です。費用も出してもらえると嬉しいです
- 評価制度について
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- 事務能力についての評価基準があれば、何を勉強し身につけるか、具体的に考えられると思います
- リスキリングによる個人の能力向上に対する評価が追いついておらず、とくに年代の高い世代ではどこでもやっていけるスキルという漠然とした捉え方をしており、転職や人材流出につながる懸念を感じている人もいる。リスキリングに対する理解促進が求められると考える
- 副業について
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- 専門性のあるスキルを活かした副業の解禁
- 副業制度を認めることで社員の選択の自由を広げ、かつ副業も行う社員がいることを多様性の1つとして特別視せずに認めてほしい
- 残業について
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- 仕事が忙しく時間が取れないので、業務の効率化を図って時間をつくれるようにしてほしい
- 研修等の機会があっても、普段の業務量が多くなかなかチャレンジできない
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査名:リスキリングに対する社員の人々の意見調査
- 対象者:会社で働く社員の方々
- 対象地域:全国
- 調査対象:インターネット調査
- 調査期間:2024年3月5日〜3月12日
- 回答数:163
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