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HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

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2025年2月6日(木)13:00-18:00

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HRzine Day 2024 Summer セッションレポート | #(AD)

新卒が生成AIも使えるDX人材に育つ! ギブリーによる次世代の新人研修カリキュラムとは

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 生成AIが急速に広まったこともあり、いよいよ本気で新人研修に新たな育成要件やカリキュラムを追加しなければならない、と考えている人事は少なくないだろう。そのような中、人事向けイベント「HRzine Day 2024 Summer」では、株式会社ギブリー 執行役員 兼 研修事業統括の森康真氏が登壇。「来年度の研修アップデートに役立つ!『テクニカル×ビジネス』で組織を牽引するDX人材を育てる 次世代の新人研修カリキュラム」と題し、講演を行った。本稿ではその模様をお伝えする。

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スピーカー

森 康真氏

森 康真(もり やすなお)氏

株式会社ギブリー
執行役員
人事部管掌 兼 育成ソリューション事業部 シニアプリンシパル

北海道大学工学部情報工学科卒、同大学院情報科学研究科修士課程修了。SAPジャパン株式会社、株式会社野村総合研究所を経て株式会社ワークスアプリケーションズに入社しエンジニア採用責任者としてジョブ型採用を確立。その後、株式会社ギブリーに参画し、現在は同社の執行役員として、人事部管掌と育成ソリューション事業部のシニアプリンシパルを務める。

新卒を即戦力に——調査結果から見る育成の捉え方

 ギブリーでは同社が運営するエンジニア・人事向けオウンドメディア「Agile HR magazine」において、人材育成に関する調査を実施した。まずはその回答をもとに森氏は、DX人材育成における現状と課題について言及した。ちなみに調査の回答者が所属するのは、製造業・メーカーを中心とした大手企業が過半数。回答者の職種は、人事や情シス、経営企画などコーポレート関連が大半を占めている。

 はじめにDX推進全般について。「組織のDX化の推進において今後注力していきたい人事施策は?」という質問で目立ったのは、「中途社員の採用」(45.33%)や「既存従業員のリスキリング(学習環境提供・資格取得支援)」(35.33%)の回答率の高さである。とはいえ、昨年度と比較するとどちらも減少しており、国の助成金を使って何かしらの対策を施した企業も多いのではないか。「『新卒の職種別採用(即戦力の採用)』がぐんと伸びていることからも、中途採用が思うように進まない分、新卒を育成することで、DX人材が不足している穴を埋めようと考えている傾向が見て取れる」と森氏は述べた。

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 次に、新入社員研修についてはどうか。「2024年度の新卒社員のデジタル(IT/DX)スキルレベル・経験者の比率」を聞いたところ、従業員規模にかかわらず、「ほぼ全員が未経験」と回答した企業が半数を占めることが分かった。100名以下のスタートアップで「ほぼ全員が経験者」と回答している企業が見られるが、「これはごく一部の例外である」と森氏は強調する。

 「コンピュータサイエンスを専攻している学生は年間2万人程度といわれ、少子化も相まって奪い合いになっている。企業規模が大きくなればなるほど、採用人数を満たすためには、未経験者を多くとらなければならない状態が近年ずっと続いている」(森氏)

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 さらに、「新入社員研修における課題や悩み」について聞いたところ、最も多かったのは「カリキュラムの更新(新領域への対応・情報のアップデート」(38.00%)。次点で「受講生のスキル差への対応」(31.33%)となっている。

 「ずっと同じ研修カリキュラムを微修正しながら使い続けている企業が非常に多い。新領域のカリキュラムを追加するには、準備や講師の確保が大変だからだ」(森氏)

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 また、「2024年度の新卒研修のデジタル(IT/DX)領域の実施」については、知識習得レベルで専門職種に求められる領域を網羅している企業が30%程度いることが分かった。たとえば「データ・AI活用(AI活用戦略・データ戦略・評価)」について、知識習得レベルは21.19%、さらにその上の業務活用レベルになると7.95%となっている。

 生成AI領域を新入社員研修で「実施している」と回答した企業は、昨年度に比べると大幅に増えている。「中にはRAG開発やファインチューニング、LLMOpsといった専門的な領域まで踏み込んでいる企業も出てきており、リテラシーレベルにとどまる企業との二極化が進んでいる」と森氏は語る。

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 他にも、約70%の企業が「生成AI技術の台頭により社員に求められるデジタルスキル要件は変化している」と回答した一方、「実際にどのくらいデジタルスキルを習得できているか」を問うたところ、習得に手応えを感じている企業は約25%にとどまっていることも分かっている。具体的に求めるスキルとしては、「顧客課題の発見と解決・デザイン思考などビジネスアーキテクト領域」が相対的に高く出た。

 「生成AIは今後さらにさまざまな領域に入り込んでいく。そうなれば、既存システムからのリプレイスといった限定的なものではなく、戦略レベルでビジネス変革が求められることを予期されているのだろう」(森氏)

どちらかだけでは足りない、これからの人材に求められるスキルセット

 続いて、森氏はこれからの人材に必要なスキルセットの指標として、経済産業省が提唱する「デジタルスキル標準」を紹介した。これは、DXに必要な知識やスキルを全体概要からロール別に細分化して定義されたものである。急速に普及する生成AIに対応したものとして、2024年7月に改訂版が公開されており、スキルだけでなく新たなマインドセットが求められる点にも言及がある。詳細は経済産業省のWebサイトを参照していただきたい。

 また、この中ではDX推進スキル標準の人材類型として「ビジネスアーキテクト」「データサイエンティスト」「サイバーセキュリティ」「ソフトウェアエンジニア」「デザイナー」の5つが挙げられている。ここで森氏が注目したのは、「データサイエンティスト」「サイバーセキュリティ」「ソフトウェアエンジニア」については従来のエンジニア育成で十分にまかなえていたが、「ビジネスアーキテクト」と「デザイナー」を育成するにはテクニカルとビジネスの両面を網羅した新たなカリキュラムが必要になってくる、という点である。

 テクニカルとビジネスの両面を身に付けさせる研修とはどのようなものか。森氏はギブリーが提供している、DX人材の採用・育成・評価のためのHRプラットフォーム「Track」のカリキュラムマップを提示した。

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 Trackでは、基本的なプログラミング教材はもちろんのこと、先端的なデータ解析や機械学習の実装レベルでの演習、Webアプリケーションの実装まで、すべてシステムで一元管理しながら出題管理できるのが特徴だ。

DX人材の育成に向けた新卒研修にするための3つのポイント

 では、従来の研修カリキュラムのどこをアップデートすればよいのか。森氏は3つのアップデートポイントを挙げた。

①“デザイン思考”を学習の動機形成に活用する

 デザイン思考とは、デザイナーがデザイン業務で使う思考方法のプロセスを活用して、ビジネスなどにおける前例のない問題や未知の課題に対して、最もふさわしい解決を図るための思考法・マインドセットのことである。顧客課題を発見して、解決のためのアイデアを発散し、新しいソリューションに導く入口として、多くの企業で導入されているものだ。デジタルスキル標準においても、デザイン思考はビジネス変革に重要なスキルとして位置付けられており、「ビジネスアーキテクト」や「デザイナー」に必須要件として挙げられている。

 さらに森氏は、「デザイン思考は学習の動機形成にも役立つ」と言う。なぜなら、デザイン思考のワークショップを取り入れた研修を通じて、「自分はエンジニアだけれど、ビジネスの観点も必要なのだな」「自分は営業だが、テクノロジーを理解していなければ、新規事業を考えるのは難しいのだな」といった気づきを得て、今後のスキルアップに対するモチベーションを高めることができるからである。

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 実際に、ギブリーが顧客向けに行った研修のアンケート結果では、「ワークショップを通じて、今後自身の新たなスキルを伸ばしたいと感じる」「ワークショップを通じて、自社のビジネス・業務プロセスの改善に興味を持った」といった声が多く寄せられたという。

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②生成AIのカリキュラムを組み込む

 アップデートポイントとして、やはり生成AIは外せない。まずはプロンプトエンジニアリング研修を通じて、生成AIに関するリテラシーやモラル、リスク対策などを学びつつ、さらに踏み込んだAIエンジニアリングにまで手を広げていくのが定石だ。

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 プロンプトエンジニアリングとは、自然言語を用いる対話型AI(ChatGPT)に対して精度の高いアウトプットを得るための技術である。ChatGPTを使いこなすテクニックや情報リテラシーを高めることで、より精度の高い業務効率化を実現できる。

 ギブリーのデジタル人材研修サービス「Track Training」では、プロンプトを書いて生成AIと対話しながら思考のヒントをもらって回答を導き出すようになっている。このプロンプトを書く過程においては、質問力や論理的思考能力が非常に重要であることから、Track Trainingでは適切なプロンプトを書くための土台づくりとして、これらの教育にも力を入れているという。

 こうしてプロンプトエンジニアリングのスキルを身に付けた先にあるのがAIエンジニアリングだ。初歩的なものとして、生成AIを利用したシステム構築やコンサルティング提案に必要なRAG開発を学んでいくことが考えられる。

 「実際、AIエンジニアリングにまで踏み込んだ研修を始めているお客様も出てきている。高い実践力のあるエンジニアを新卒から育てていくという発想を持つことも、アップデートポイントの1つになるだろう」(森氏)

③デザイン思考×テクノロジー×生成AI

 アップデートポイントの3つ目は、これまでに出てきた要素をすべて掛け合わせた研修を行うことである。デザイン思考を学び、プログラミングを学び、生成AIを学んだら、これらの知識をもとに新しいサービスを考えようというワークショップを実施するのだ。

 例として森氏は、ギブリーの顧客が実際にこの春3ヵ月間をかけて行った研修の総まとめとして実施したワークショップを紹介した。

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 「最先端の企業はここまで進んでいる。DX人材に求められるビジネス要素、テクノロジー要素、新しい技術トレンドを、新卒のうちから身に付けさせ、実践できるところまで至っているのだ。こうした研修カリキュラムにアップデートする必要があるだろう」(森氏)

 「生成AIに対応した研修へと、いち早くアップデートしなければならない」と危機感を募らせている企業は多いが、実際にスキルを習得させる研修カリキュラムにまで落とし込めている企業は約3割にとどまっている。今後、新卒の育成レベルは、企業が生み出す価値に直結していくといえるだろう。

 「ギブリーでは実践型のデジタル人材研修サービス『Track 法人研修サービス』を用意している。各社の求める研修スタイルに応じて育成計画コンサルティングを行い、職種別の実践カリキュラムをリーズナブルな価格で提供しているため、興味のある方はぜひ活用を検討していただきたい」と森氏は語り、講演を締めくくった。

【レポート】新入社員研修のデジタル(IT/DX)領域への対応に関する意識・実施調査

 ギブリーでは、新入社員研修のデジタル(IT_DX)領域への対応に関する意識・実施調査(2024年)を公開しました。本レポートでは、205名の企業にお勤めの方、人材育成などの人事業務に関わる方々を対象に、新入社員研修のデジタル領域対応における最新のトレンドや実態を調査し、まとめたものを配布しています。

《目次》
  • DX・変革に関する意識調査
  • 2024年度 新入社員研修実施調査
  • 研修におけるデジタル領域への対応
  • 生成AI時代に求められるスキルの変化と研修内容

 本調査レポートは下記からダウンロードできます。

「新入社員研修のデジタル(IT/DX)領域への対応に関する意識・実施調査」のダウンロード

 経営者や人事責任者の皆様が日本国内における育成状況を把握し、今後の戦略を立案するのにお役立てください。

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