SUPER STUDIOが新卒採用を本格化した理由とは
——現在、10期目を迎えている御社ですが、これまでの採用の歴史を教えていただけますか。
大谷元輝氏(以下、大谷) 主力事業である「ecforce」の提供を始めたのが2017年で、そのころから組織がどんどん拡大していきました。当初は中途採用と新卒採用をしっかりと切り分けていたわけではなく、学生アルバイトで入って卒業後にそのまま入社したり、メンバーから紹介された学生を採用したりなど、毎年ちらほらと新卒メンバーが入社しているような状況でした。中途採用もリファラル採用が中心でしたね。社員数としては、2018年から2019年にかけて、30名ほど増加する形でで推移していました。
——その後、2021年卒で新卒採用を本格化した理由は何でしょう?
大谷氏 3つの理由があります。1つ目は、それまでに入社した新卒メンバーがとても優秀で活躍していたからです。2つ目は、当社の代表である林(紘祐氏)の想いで「人が育てば会社が育つ。会社が育てば社会が育つ」という価値観があり、その観点では中途と新卒を明確に区別する意識がなかったからです。3つ目は、学生の間で会社の認知度を上げるのには時間がかかるため、新卒採用をいつかやるのであれば少しでも早くチャレンジしたほうがよいと判断したからです。
新卒採用の本格化を検討し始めた2020年当時は、コロナ禍による市場の変化もあり、ECに追い風が吹いていました。また、ecforceの提供開始からしばらく経ち、継続率などの数字もクリアに見えてきていた。「プロダクトの伸びを考慮して、もっと人に投資しよう」と意思決定できるタイミングでした。
吉田光氏(以下、吉田) そのころには組織も盤石になってきて、人材を育成できる環境が整い始めていたこともありますね。
——新卒研修は当初から用意されていたのですか。
大谷 当初は、十分な研修を用意できていたとは言い難いですね。他社の研修内容を参考に、ごくごく一般的な研修を組み立て、比較的早い段階から現場でのOJTを中心に行っていました。
新卒研修が大手企業のように完璧に確立できていないことは私自身も認識していたので、候補者の方には事前にその旨を丁寧にお伝えしていました。研修制度が未完成な分、配属後も現場に任せきりにするのではなく、私自身も定期的に新卒メンバー全員と1on1を行うなど、細かいフォローアップやコミュニケーションを続けていました。
結果、特に新卒だからすぐに辞めてしまうといった傾向は見られませんでした。