No Companyは、採用活動における企業から学生への適切な連絡について、学生が感じた企業からの良い、あるいは悪い連絡頻度・内容・方法を調査した。
同じ会社と連絡を取る期間は「半年以下」が約8割
学生に対し、就職活動において1社と連絡を取り合う平均期間を聞くと、「数日から数ヵ月」が47.1%、「数ヵ月から半年」が31.2%と、合わせて78.3%が半年以下と答えた。採用活動の期間自体は長期化の傾向にあるが、学生が1社とつながっている期間は短いことが分かる。就職活動は、できるだけ短期間に終わらせたいと考える学生が多いようだ。
3割の学生が、企業からの連絡を面倒に感じて選考を辞退
就職活動をする中で、企業からの連絡が面倒に感じたことはあるかを質問したところ、「多少感じたことがある」を含め62.9%の学生が「感じたことがある」と回答した。
また、企業からの接触頻度や連絡の内容が嫌で応募や選考を辞退したことはあるかを聞くと、27.1%が「辞退したことがある」と分かった。
面倒に感じる連絡内容1位は「催促」
面倒に感じた連絡内容については、「その他」を除いて「説明会や次回選考に進むことを促す連絡」が24.1%と最も多く、次いで「ホームページ更新など採用情報に関するお知らせ」が18.2%、「自身の近況を伺う連絡」が11.2%と続いた。企業の都合で情報を押し付けられることを、面倒に感じる学生が多いと分かる。一方、面倒に感じない連絡内容は「内定承諾後のフォロー」が7.6%となった。
また、不快に感じた企業からの連絡について、自由記述のコメントでは次の回答が寄せられた。
- しつこい電話・メール
- エントリーを何度も催促してくる
- しつこく状況を聞いてくる
- ビジネスライクな冷たい対応
- 一斉送信のような内容
- 学生側の(授業やプライベートなどの)都合を無視した打診
- 飲み会の誘い
インターンシップ参加後、本選考前の連絡量の多さに辟易
企業からの適切な連絡頻度について聞いたところ、同じ会社からの連絡が多すぎて面倒だと感じた時期は、「本選考のエントリー前」が22.9%で最多となり、次いで「インターンシップの参加後」が20.6%と続いた。
インターンシップが終わり本選考が始まる時期は、どの企業も連絡量が多くなりやすい。しかし、学生としては大量の連絡に面倒さを感じるようで、あまりに連絡が多いと会社の印象が悪くなる可能性があるという。
必要情報はすぐに受け取りたいが、自分の判断は静かに待ってほしい
就職活動の各期間において、学生にとって企業からの連絡頻度はどの程度が好ましいかを質問した。選考中の期間は「1週間に1回」の連絡を好む傾向にあるが、エントリー・内定承諾をするか迷っている期間は「月に1回」の連絡が好ましいという結果になった。必要な情報はすぐにほしいが、自分からの回答は待ってほしいと考えていることがうかがえる。
学生が求めるのは「多すぎない連絡量」「簡潔な内容」「親切な対応」
就職活動中に、連絡頻度や内容が良い・うまいと感じた企業はあるかを質問したところ、39.4%が「はい」と回答した。
企業からの連絡で良かった点を聞くと、自由記述では次の回答があった。
-
連絡頻度
- メールでの簡単なやりとりで済んだ
- 返信速度が速く、やり取りの回数が少なかった
- 連絡がしつこさを感じさせない適切な頻度だった
- 学校生活に配慮して、こちらの都合に合わせた頻度で連絡をくれた
-
内容
- 連絡内容が必要最低限だった
- 重要な連絡だけをしてくれた
-
連絡方法
- LINEでの連絡が便利だった
選考中の情報収集は、採用ホームページや採用説明会を優先
就職活動中の企業からの連絡や施策で、特にうれしいと感じたのはどのような内容だったかを聞いたところ、「採用説明会」が31.2%と最も高く、次いで「人事面談(キャリア相談)」が18.8%、「学生同士の交流会(選考に進んでいる人や内定者)」が18.2%、「社員や社風が分かる動画」が17.6%、「採用ホームページ」が17.1%と同程度に人気が高いことが分かった。
学生が就職活動を行う際、SNSでの情報収集が普及しているが、エントリーを決めた後は、説明会や採用ホームページなど従来通りの方法で企業情報を確認していることが明らかになった。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査時期:2024年7月16~23日
- 調査方法:インターネット調査
- 対象エリア:全国
- 調査対象:20~25歳、会社員・公務員・学生のいずれかで「内定先が確定している」「就職済み」と回答した人
- 有効回答数:170
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