マイナビは、25卒採用の内定状況と26卒採用の見通しなどをまとめた、「2025年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」の結果を発表した。
25卒の採用充足率は70%で、過去最低
25卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は70.0%で、前年比5.8ポイント減。3年連続の減少となり、現行の採用スケジュールになった17卒以降、同時期の調査で過去最低となった。
採用活動が「前年より厳しかった」割合は46.5%と半数を割ったものの、20~22卒の調査と比較すると高い傾向にある。
採用活動が厳しかった理由は、「母集団の確保」(81.3%)が3年連続で増加し8割を超えるなど、母集団形成で苦戦を強いられている状況だと分かる。
26卒採用数を「増やす」企業は微減、「今年度並み」が増加
26卒で採用予定数を「増やす」企業は前年比2.6ポイント減、「今年度並み」は前年より2.8ポイント増加した。採用充足率の低下を受けて採用予定数を増やすのではなく、現状維持とする企業が多くなっているようだ。
採用スケジュールについては「25卒より早める」という企業が42.8%となり、採用予定数の確保に向けて今年より前倒しで採用実施を検討する企業が多い。
約3割の企業で24卒社員の退職あり
24卒の新入社員で、入社から調査時点(9〜10月)までの約半年間に「退職者がいた」と回答した企業は28.1%であった。
そのうち、退職割合で最も多いのは「1割未満」(18.9%)となった。20~24年に新卒入社した社員の退職割合を見ると、「5割以上」が退職したという企業の割合は、23・24卒ではわずかだが、22卒では9.8%と1割近くになり、21卒では15.3%、20卒では17.5%と増え、4年前に入社した新卒社員が現在半分以下になっている企業が2割近くあることが分かった。
上場企業の2割近くが、「就職ファストパス」の導入を検討
内定や入社を辞退した学生に対し、将来その学生が中途採用で再び応募する際の選考を一部免除するといった「就職ファストパス」について、現時点では87.3%の企業が「実施しておらず、検討もしていない」と回答し、実施企業は2.0%とわずかであった。一方で「実施していないが、実施を検討している」という企業も10.7%と1割存在しており、上場企業では17.0%と2割近い企業が今後実施を検討していることが分かった。内定辞退による母集団不足も問題視される中で、新卒採用では入社にいたらなかった優秀な人材に対して、中長期的な視野でアプローチをしていく施策の1つとして、一部の企業で導入・検討されていることがうかがえる。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名称:「2025年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」
- 調査期間:2024年9月6日~10月4日
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調査方法:
- 「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて案内
- マイナビ2025利用企業担当者宛にメールマガジンにて案内
- 調査対象:「HUMAN CAPITALサポネット」会員および新卒採用実績のある企業
- 調査機関:同社調べ
- 有効回答数:1616社 (上場126社、非上場1490社/製造588社、非製造1028社)
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