データで見る金融業界のエンゲージメント傾向
まず、金融業界のエンゲージメントの傾向を見るにあたって、分析方法と分析結果をお伝えします。
分析方法
当社の「エンゲージメントサーベイ」を導入している企業の中から、金融業界の企業を抽出し、エンゲージメントスコアを分析しました。分析対象は合計46社です。
当社のエンゲージメントサーベイでは、エンゲージメントを左右する要因を「会社」「上司」「職場」の3つの領域に分け、さらに16の要素に分類しています。そして16の要素に紐づく形で詳細項目があり、回答者は詳細項目ごとに「期待度」と「満足度」を5段階で回答します。その結果から、エンゲージメントの指標である「エンゲージメントスコア」(≒偏差値)を算出しています。
分析結果
- 金融業界は、他業界と比較してエンゲージメントの高い企業が多く、業界平均のエンゲージメントスコアは53.9と、全業界平均(50.0)を上回る結果となりました。
- 他業界と比較して、「会社基盤」「制度待遇」に対する満足度が高い傾向が見られました。
- 他業界と比較して、「仕事内容」「判断行動」に対する満足度が低い傾向にありました。
- 金融業界でエンゲージメントが高い企業と低い企業を比較すると、上位役職者のほうが大きな差が見られました。エンゲージメントの低い企業は、特に上位役職者のエンゲージメントが低く、階層が上がるにつれ、エンゲージメントが高い企業と低い企業の差が広がる傾向が見られました。
- 金融業界でエンゲージメントが高い企業の部長層は、「理念戦略」に対する満足度が高い傾向が見られました。
- 金融業界の若手(20代・30代)は、「人的資源(人材の魅力)」に対する満足度が高い傾向が見られました。