報酬はしょせん「衛生要因」でしかない?
こんな課題はありませんか?
- 報酬制度を刷新したが、従業員のパフォーマンスやリテンションが向上している実感がない
- 報酬水準を引き上げたが、かえって従業員から不満が挙がるようになった
- 「Pay for Performance」を掲げているが、現場では“そこそこ”に過ごすほうがコスパが良いと思われている
仕事における人間の動機付けを、不満をなくすことにつながる「衛生要因」とやる気を出すことにつながる「動機付け要因」に分けたハーズバーグの二要因理論において、「報酬・給与」は衛生要因に分類されています。報酬が低いと不満につながるが、引き上げたからといって不満解消以上の動機付けにはつながらない、ということです。従業員エンゲージメントサーベイのキードライバー(従業員エンゲージメントの高低に大きな影響を与える要因)分析においても、「報酬」が要因として挙がってくる例は少ないです。
一方、「Pay for Performance(ペイフォーパフォーマンス:成果に対する支払い)」という考え方もあります。分かりやすい例は、営業のコミッションやインセンティブのような歩合給ですが、グローバル先進企業ではPay for Performanceの解釈を広げて、従業員のパフォーマンス・リテンション向上のために活用しています。
「報酬は衛生要因だから」と不満が出ない程度に市場水準とのバランスをとるだけでは、経営としては良い「人材への投資」とはいえません。タレントマネジメントの仕組みの一部となりえる報酬制度活用が必要です。