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HRzine Day 2025 Summer

2025年7月29日(火)@オンライン

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人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

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人事業務のどこに効く? 生成AI活用の「今」と「これから」| 第1回

大手企業の人事業務における生成AI活用の現状 導入を阻む主な課題と乗り越え方とは

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安全に導入し、生成AIの可能性を引き出すために

 2025年現在、生成AIは単なる業務効率化の枠を超え、ナレッジマネジメントの再構築や意思決定の質的向上を支える重要なソリューションとなりつつあります。その可能性を最大限に引き出すためには、次のような組織全体での戦略的かつ段階的な取り組みが不可欠です。

  1. 目的と活用範囲の明確化——ツール導入を目的にしない
    生成AIはあくまで「手段」であり、その導入自体が目的とならないよう注意が必要です。たとえば、人事部門における従業員対応の属人化や評価書類作成の負荷、社内ナレッジの分散など、具体的な課題を明確にし、生成AIで何を解決したいのかを事前に設計する必要があります。業務ごとに優先度を定め、小さな成功体験を積み重ねながら段階的に展開することが現実的かつ効果的です。
  2. 経営と連動した導入設計と長期的視点
    生成AIを全社的に活用するには、経営層の理解と支援が不可欠です。ただしトップダウンの一方的な指示では、現場との温度差が生じかねません。中期経営計画と人材戦略を連動させ、経営層を巻き込みながらAIを「業務・組織変革の手段」として位置づける視点が重要です。AIの価値を「業務支援」から「思考・判断の質を高める存在」へと再定義する意識転換も求められます。
  3. 「AIリテラシー=プロンプト力」から「活用設計力」へ進化
    従来は「良いプロンプトの書き方」が重視されていましたが、モデル性能の向上により、現在では曖昧な指示でも一定の成果が得られます。これからは「どのAIに、どの役割を与えるか」「社内データとどう連携させるか」といった活用設計力が重要です。AIに目的を持たせ、評価データや面談記録を活用し、複数のAIを連携させるなど、業務全体を俯瞰する構想力が問われています。
  4. 攻めのナレッジ活用とRAGによる応答精度の向上
    以前は「社内文書を読み込ませない」など防御的なルールが主流でしたが、最近では、RAGの活用など安全にナレッジを活用する方向へとシフトしています。社内マニュアルや評価履歴、離職傾向などをAIが参照することで、正確な従業員対応や組織課題の可視化、暗黙知の形式知化といった高度な活用が可能になっています。今や、「導入するかどうか」ではなく、「どれだけ精度高く、安全に活用できるか」が鍵となっています。

未来の人事に問われる力

 すでに生成AIは、採用支援や社内FAQ対応などの定型業務では実用フェーズに入りつつあります。一方で、人事制度設計や人材戦略といった高度な領域での活用は、なお一部の先進企業に限られています。

 その背景には、技術的な制約よりも、活用目的の明確化や、運用体制の整備など、企業ごとの進め方や体制構築の違いがあります。戦略人事を志向する企業の中には、すでに高性能なソリューションを導入し、明確な目的と投資判断のもとで活用を本格化させている例も見られます。

 一方、多くの企業では「どこから着手すべきか分からない」「費用対効果が不透明」「失敗が許されない」といった不安が先行し、業務の効率化にとどまっているのが現状です。

 今後は、生成AIを単なる省力化ツールとしてではなく、自社の人材戦略や業務プロセス全体と結びつけて捉える視点が求められます。社内のナレッジや人材データを活用し、戦略的な示唆を引き出す手段として、AIをどう設計し、どう育てていくか。その構想力こそが、これからの人事に問われる力となっていくでしょう。

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この記事の著者

袋瀬 淳(フクロセ ジュン)

株式会社Works Human Intelligence/WHI総研大手不動産会社にて企業の寮や社宅の運用支援を通じた業務改革に従事後、Works Human Intelligence入社。保守コンサルタントを経て、多くの企業を見てきた経験を活かし、人事全体の事例・トピックスの研究・発信活動を行って...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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