デロイト トーマツ コンサルティング(以下、デロイト トーマツ)は、生成AIを活用した従業員エンゲージメント向上支援ツール「Engagement Agent(エンゲージメントエージェント)」を開発し、10月1日から提供開始した。
Engagement Agentは、デロイト トーマツの従業員エンゲージメント向上実績などに関する知見や、コンサルティング手法を生成AIに組み込んだ課題抽出・施策提案ツール。各組織が実施する従業員エンゲージメント調査結果のローデータを投入すると、生成AIが調査結果から課題の分析や施策提案を行う。
具体的には、エンゲージメントスコア、エンゲージメントに影響を与える項目・設問ごとのスコア、エンゲージメントに効く要素(キードライバー)の特定、エンゲージメントへの因果関係などを分析し、分析結果から課題を特定、それらに基づき施策案を提示する。これらはすべてWeb上で閲覧することが可能。将来的には、自由記述の設問への回答をAIが読み解く分析、エンゲージメントの高さに応じた回答傾向の分析などが可能になるように機能を拡充していく予定だという。
Engagement Agentのポイントと利用方法は次のとおり。
Engagement Agentのポイント
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従業員エンゲージメント向上に対する質の維持
- 「エンゲージメントサーベイを実施したが、何にどう手を打てばよいか分からない」という難しい課題に対して、生成AIが各種分析を基に施策を講じるべき課題を明確化し、施策を提案することによって解決を図る。これにより、分析や施策案の検討は、担当者が代わっても一定の質を担保できるとしている
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施策検討・実行までの工数・リードタイムの圧縮
- 集計・分析工数はほぼ不要となり、施策の内容を検討する時間に充てられるという。集計・分析結果の読み取りもゼロベースでスコアを確認する必要はなく、生成AIによるアシストがついている。結果として、より重要な、施策の検討および実行に時間や工数を割り当てることも可能とのことだ
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全社一貫の結果分析・施策案検討を実現
- 大きい企業・団体ほどスコアのみを各部門に共有し、分析と施策検討は部門ごとに行うケースが多くあるという。同ツールによって部門単位で分析結果や施策案を共有できるようになり、部門間での分析の重複や差異がなくなる。これにより、全社一貫でばらつきなく、エンゲージメント向上に資する施策を遂行できるとしている
Engagement Agentの利用方法
同ツールは、100〜5万名の組織で活用することを想定している。調査を実施しているアンケートツールを変更する必要はなく、従来実施しているツールを用いて収集した調査結果のローデータをそのまま活用することが可能。サーベイの対象者数や利用期間などに応じて利用料金を設定している。
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