ヤプリは10月9日、「UNITE by Yappli 戦略発表会」を開催した。
まず、同社 取締役執行役員COO 山本崇博氏が登壇。2023年にリリースした「Yappli UNITE」では、2年間で約120アプリが誕生し、70万人以上の従業員に利用されているといい、利用企業から寄せられたニーズをもとに、「伝わる」「つながる」「学べる」を促進する社内エンゲージメントアプリ 「UNITE by Yappli(以下、UNITE)」 へとブランドリニューアルすることを発表した。

「欧米ではいま、コミュニケーションの断絶や働く場所による情報格差といった課題が生まれている。とくにノンデスクワーカーを中心に、新しい情報発信手段が求められており、そのソリューションとして社内アプリの導入が進んでいる。ヤプリではこれまで、社内報を紙から置き換える手段としてYappli UNITEを広めてきたが、社内報の枠を超えた新しいサービスとしてリニューアルすると決めた」(山本氏)
次に、同社 UNITE 事業責任者 古屋陽介氏が登場し、UNITEの詳細を語った。
「従業員エンゲージメントを高めるためには、『情報伝達』『従業員同士のつながり』『学ぶ環境』が重要だが、それぞれに壁が存在すると感じている。また、社内報の制作には、回覧率や制作工数に課題がある。
UNITEでは、そういった壁や課題を越えてイキイキとした組織づくりを強化するための価値を提供できると考えている」(古屋氏)

UNITEが提供する3つの価値は次のとおり。
- 伝わる(社内情報)
- 経営理念や社長メッセージなどの重要なメッセージを、動画やポッドキャストなどさまざまな形式で配信可能。社員が「見たい」「聞きたい」と思える環境を構築する。また、マニュアル、社員紹介、業務ツールなど多様な情報を一元管理。社内報や社内ポータルの枠を超えた、企業理念の浸透と実務の情報アクセスを両立する新しい情報伝達ツールとして、企業の社内コミュニケーションを進化させる。
- つながる(社内交流)
- UNITEでは対面でのつながりを重視し、社内における横のつながりを広げて業務効率を高めるコミュニケーションを促進する。対面での出会いをアプリとつなげることで、部署を超えた深い人間関係の構築や、共通の興味・関心を通じた社員同士の交流を促進できる。また、サンクスカードや掲示板(コメント機能)を通じて、感謝と共感があふれる組織をアプリで広げ、偶発的な情報交換や新たな協業の機会を生み出し、組織全体のイノベーションとエンゲージメントを高めることが期待される。
- 学べる(人材育成)
- カタログや業務マニュアルをペーパーレスにデジタル化し、研修やセミナーも動画で配信。研修後のテストもアプリで完結できるコンテンツを提供することで、従業員が「いつでもどこでも」能動的に学べる環境を整備し、個人の成長と組織全体のスキルアップを加速させる。
さらに古屋氏は、社内アプリの利用を活性化させるための機能として「社内ポイント」を挙げた。
「出社やサンクスカードなど、社員の前向きな行動に応じてポイントを付与する機能を用意している。貯まったポイントは、さまざまなベネフィットや福利厚生への利用につなげられる。社内ポイ活はアプリ活性化のエンジンとして非常におすすめだ」(古屋氏)

山本氏は最後に、「事業としての成長も重要だが、導入企業の利用者数を増やすなど今ある社内アプリを盛り上げるのも大切。ゆくゆくは顧客企業同士のコラボレーションなど、本サービスの可能性を広げていきたい」と意気込みを語って、発表会を締めくくった。
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