データ、アプリ、AIを統合。ビジネススイート戦略を進めるSAP
SAPはSuccessFactorsとAIを通じて、Vargiu-Breuer氏が提唱するスキルベースのアプローチを人事担当が進めることを支援する。
SAPは2025年に入り、「SAP Business Suite」というコンセプトを発表した。データとアプリケーションを統合し、縦断的なAIの活用を実現するというものだ。イベントで、SuccessFactors、Ariba、ConcurといったSAPのCX製品の再構築を推進してきたMuhammad Alam氏(エグゼクティブボードメンバー、Product & Engineering担当)は、業務アプリケーションの将来をスマホや自動車の体験にたとえ、個別のアプリケーションを(意識して)利用する時代から1つの統合された体験になっていく、というビジョンを示した。
SAP SuccessFactors CMOのLara Albert氏は、「(SAP Business Suiteは)サプライチェーン、ファイナンス、HCMなどが相互接続されており、そのうえで意思決定ができる。アプリケーションからのデータをすべてAIに送ることができる」と説明する。分野に特化したポイントソリューションでは、データがサイロ化されており、それが痛みにつながっている。そこで、すべてのデータを集める「SAP Business Data Cloud」、技術基盤の「SAP Business Technology Platform」を土台に、AIアシスタントの「Joule」により、自然言語で知りたい情報や洞察を得たり、タスクを行ったりする。
Albert氏は、Alam氏の考えとして「アプリケーションは将来、コモディティ化されるかもしれない。だが、堅牢な業務アプリケーションから生まれるデータと、そのデータに適用されるAI、ここで真の魔法が起きる」と紹介する。アプリケーションがデータを生み、そのデータを他のデータと連携させ、AIを適用することで価値がさらに生まれる——これをSAPは“フライホイール(好循環)”と呼んでいる。
SAPがSuccessFactorsを買収したのは2011年。これまでも「One SAP」として統一されたUXの取り組みを進めてきたが、AIにより完成形を描くことができたという格好だ。

