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山崎 万里子(やまさき まりこ)氏
株式会社ユナイテッドアローズ 執行役員 CHRO
1973年福岡生まれ。学習院大学在学中、ユナイテッドアローズで生まれて初めてのアルバイトを経験し、1996年に新卒2期生として入社。20代は販売促進やブランディングなど営業戦略を担当し、30代以降はコーポーレート戦略、管理職へとキャリアチェンジ。広報宣伝部長、経営企画部長を経て、2024年より執行役員CHRO・人事本部長を務める。座右の銘は「鬼手仏心」「蝶の如く舞い、蜂の如く刺す」。
初の赤字と1000人の退職者。コロナ禍で直面した「悪循環」
ユナイテッドアローズのCHROを務める山崎氏は、大学時代のアルバイト入社からキャリアをスタート。広告宣伝・経営企画を経て、人事の道へ進んだ。
同社が直面した最大の危機は2020年のコロナ禍だ。長期の店舗休業を余儀なくされ、株式公開以来初の赤字を計上した。
「当時は賞与カットや昇格・採用の停止など、あらゆる人件費抑制策を実行しました。人的資本経営では『人材は資本』とされますが、真逆のアプローチを取らざるを得なかったのです。多くの社員が会社や業界の未来を悲観し、約2年間で1000人もの退職者を出すことになりました」(山崎氏)
営業再開後も採用停止や人件費の圧縮を続けた結果、在籍人数は2年間で約2割減少。店舗営業にも大きな支障をきたした。
また、従業員のエンゲージメントも大きく低下。同社が指標とするeNPS(Employee Net Promoter Score:職場推奨度)は、コロナ前と比較して15ポイントも悪化した。
一般的に「従業員エンゲージメント」「顧客ロイヤリティ」「会社の業績」は相互に作用し、好循環を生む。しかし当時の同社は、これらがマイナスに作用し合う「悪循環」に陥っていた。
この危機的状況を脱却するため、同社はエンゲージメントを中心に据えた人事戦略へと大きく舵を切った。

