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2026年2月5日(木)@オンライン

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TalentX鈴木貴史の“タレントアクイジション”トーク | #1

タレントアクイジションに必要なのはプロのスカウト力、エンプロイヤーブランドの向上、投資効果測定

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 深刻な人手不足の中、企業はより高度な採用活動を展開する必要に迫られている。これまでのナビサイトに広告を出し、応募を「待つ」かたちでは望む人材の採用は難しい。そこでいま取り組みが広がりつつあるのが「タレントアクイジション」という、企業から積極的かつ戦略的に人材にアプローチし採用するかたちだ。本稿ではこのタレントアクイジションについて、累計1000社以上のタレントアクイジションを支援してきた株式会社TalentXの鈴木貴史氏が、HRテクノロジー活用をはじめ、最新の人事活動に詳しい慶應義塾大学大学院の岩本隆氏にインタビュー。タレントアクイジションの必要性や実践ではずせないポイントなどを尋ねた。

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待ちでは優秀な人は来ない、プロのスカウトのような動きが必要に

鈴木貴史氏(以下、鈴木) 今回は、なぜいま「タレントアクイジション[1]」(以下、TA)が必要なのかという背景から、AI活用を含めた、日本におけるTAの実践方法まで、岩本先生に詳しくお話を伺いたいと思います。岩本先生は、2016年というかなり早い段階から日本でTAの重要性に言及されていますよね。

[1]: 中長期的に会社を成長させるために転職潜在層に対して戦略的にアプローチし、競合とのバッティングなしに人材を獲得すること。従来の欠員を埋めるために人材紹介や求人広告を用いて行う短期的な採用とは異なる。

岩本隆氏(以下、岩本) もともとTAは、2010年頃にGoogleが言い出したのが始まりだったと記憶していますが、それまでの「リクルーティング」という概念が、TAという大きな枠組みの一部になった。つまり、リクルーティングの上流から下流までをすべて含めてTAと呼ぶようになり、それぞれのセグメントで多くのスタートアップが誕生したのがアメリカの状況でした。

岩本 隆氏

岩本 隆(いわもと たかし)氏

慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 講師

東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院応用理工学研究科マテリアル理工学専攻Ph.D.。日本モトローラ株式会社、日本ルーセント・テクノロジー株式会社、ノキア・ジャパン株式会社、株式会社ドリームインキュベータを経て、2012年6月より2022年3月まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)特任教授。2023年4月より現職。

鈴木 私たちTalentXも、このTAという概念を啓蒙してきました。ただ、日本での浸透は少し時間がかかった印象です。ようやく近年、大企業でも「採用部」を「TA部」に変える動きが出てきましたが、なぜいま、これほどTAが求められているのでしょうか。

岩本 大きな要因は、日本が直面している労働人口問題、深刻な人手不足にあります。特に大企業がこれまでの「中途採用」という言葉を嫌い、「キャリア採用」と呼び変えて本腰を入れ始めました。もう「待ち」の姿勢では優秀な人が来ない。特に採用ブランドがそこまで強くない会社は、応募すら期待できない状況です。だからこそ、こちらから積極的に仕掛けていく、いわば「プロのスカウト」のような動きが必要になり、それがTAという概念と合致したわけです。

 もはや、新卒ですら獲得しに行く姿勢が求められていますし、キャリア採用の比率も増えている。スタートアップにとっては当たり前のことでしたが、日本の産業の大半を占める大企業が動き出した。この変化は非常に大きいですね。

 また、2026年3月期から有価証券報告書で「経営戦略と連動した人材戦略」を開示し、その論理性を説明しなければなりません。そうなれば、数ある人的資本経営のKPIの中でも上位に来る「採用力」、つまりTAを推進する力を高めることは、経営上の最優先事項として戦略的な投資対象となるでしょう。

鈴木 TAが戦略的投資になれば、人事のKPIもこれまでとは変わってきそうですね。

鈴木 貴史氏

鈴木 貴史(すずき たかふみ)氏

株式会社TalentX 代表取締役社長CEO

1988年和歌山県生まれ。2012年インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。企業の採用支援に従事した後、日本初のリファラル採用活性化プラットフォーム「MyRefer(MyTalent Refer)」を立ち上げ、「リファラル採用」の概念を日本に広める。その後、株式会社TalentXを設立し、代表取締役社長CEOに就任。現在は、タレントアクイジション(持続可能な優秀人材の獲得)を実現するAIネイティブな統合型タレントアクイジションプラットフォーム「MyTalent Platform」を展開。2025年、東証グロース市場へ上場。著書『戦わない採用 | リファラル採用のすべて』

岩本 特に重要になるのが「エンプロイヤーブランド(雇用主ブランド)」です。自社の魅力を正しく発信し、「引きの力」をつくらなければ応募すら得られません。各社が人的資本開示に熱心なのも、実態としてはこの採用力を強化したいという狙いが大きいです。自社の実態を整え、それをいかに発信するかがキーになります。

鈴木 一方で、まだ人材を「資本」ではなく「資源」や「固定費」と捉えてしまう企業も少なくありません。その原因はどこにあると思われますか。

岩本 日本の雇用慣行、特に解雇規制の影響は大きいでしょうね。欧米では人件費は変動費ですが、日本では雇用維持が優先されるため、固定費になりやすい。最近でこそ大企業でもリストラのような動きが見られますが、流動化が遅れているのが現状です。

鈴木 確かに、解雇規制の緩和が難しいからこそ、採用のハードルも上がり、結果として「失敗できない固定費」という感覚が強まってしまう。

岩本 本来、人的資本投資の最大のリターンは「給与」に対する成果ですが、現状ではリターンを出せていない社員も抱え続けざるを得ない。労働人口不足なのだから、本来はリターンを出せる場所に人がシフトしていくのが理想なのですが。

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

鈴木 貴史(スズキ タカフミ)

株式会社TalentX(旧・株式会社MyRefer) 代表取締役社長 CEO。2012年、新卒にてインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。IT領域の中途採用支援に従事した後、1億円の社内資金調達の元、リファラル採用の概念を日本に提唱しMyReferを創業。最年少にてコーポレートベンチャーを立ち上げ、転職サイトや人材紹介に変わる新たなHRTechサービス『MyRefer』をリリース。2018年、更なる事業拡大を目指しMBOを実施し、株式会社MyRefer ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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