この調査は、2016年9月〜2017年8月の1年間に、DODAエージェントサービスに登録した約29万人のデータをもとに、正社員として就業する20〜59歳までのビジネスパーソンの平均年収と生涯賃金をまとめたもの。
2017年の平均年収ランキングの1位は、職種別・業種別ともに金融分野の仕事となった。全153職種のうち、職種別の1位は「投資銀行業務」、2位は「運用(ファンドマネジャー/ディーラー/アナリスト)」。一方、全93業種のうち、業種別で1位となったのは「投信/投資顧問」。2位は「財務/会計アドバイザリー」(サービス)だった。
IT投資が進むにつれ、IT系職種のニーズも高まる
今回の職種別ランキングでは、上位20位中、半数が技術系(IT/通信)と企画/管理系の職種になっている。技術系(IT/通信)でランクインした職種は、4位に「プロジェクトマネジャー」、14位に「ITコンサルタント」、15位に「IT戦略・システム企画」。これらの結果から、システム開発における要件定義や企画立案を担う人材の年収が高い傾向にあることがわかった。
技術的なアプローチから新しい企画を生み出し、従来のサービスを改善する動きが加速する中で、データを集めて分析し、ビジネスへとつなげる「データアナリスト・データサイエンティスト」も27位と、上位にランクインしている。
また、ビッグデータや人工知能(AI)といった技術をを実現するための基盤となるデータを集めて分析し、ビジネスへとつなげる「データアナリスト・データサイエンティスト」も27位と、上位にランクインしている。
「企画/管理系」の職種は、業務の効率化や不正を未然に防止する「内部監査」が5位、「内部統制」が19位とランキングの上位に入っている。そのほか、「経営企画/事業企画」が9位、「法務」が12位と、企業が新規事業領域参入や、海外進出の際に重要となる職種の年収が高い傾向にある。
これらの結果について、DODA編集長の大浦征也氏は「2017年の平均年収は、418万円という結果となり、職種・業種のランキングでは、ともに金融分野が1位にランクインした。超低金利の現在、投資や資産運用への関心が高まり、投信投資顧問・投資銀行・運用などの金融分野では専門職のニーズが増加している。
また、この分野ではフィンテック(FinTech)と呼ばれる金融とITを融合した技術革新に注目が集まっており、近年、スマートフォンを利用した決済や送金、口座管理などの分野で新しいサービスが続々と登場。し、サービスの効率化も進んでいる。このようなIT投資は金融だけにとどまらず、あらゆる業界や分野でもますます盛んになっている」と語る。
また、IT系職種の現状と今後については「転職求人倍率は、「IT/通信」業種で5.58 倍、「技術系(IT/通信)」職種で7.04倍と、全体平均の2.25倍と比較しても際立って高い数値となっており、IT技術に関わる人材の採用ニーズは今後も高まるだろう」(DODA編集長 大浦 征也)と展望を述べている。
「平均年収ランキング2017」詳細はこちらから閲覧できる。