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ブラック企業に対して敏感な世の中
以前、ブラック企業という言葉は、ブランドのない三流企業の労働環境を揶揄する場面で用いられることが多かった。例えば、過労死事件等を起こした某居酒屋チェーンなどだ(創業者は議員として活躍されているようだが)。居酒屋チェーンはサービス業ということもあり、労働環境は過酷で賃金も低く、精神論で経営をすすめる幹部が多かった。そのため、若手にとってはきつい職場となっていた。離職率も高く、ブラック企業などと揶揄されていた。
ところが昨今では、賃金も高く、就職人気ランキング上位の企業ですら「ブラック企業」と呼ばれるようになっている。代表的な例は某大手広告代理店だろう。就職人気ランキングも常に上位で、大きなイベントの広告を取り仕切るなど、社会にも大きな影響力を持つ企業であった。しかし、上司のパワハラや過酷な長時間労働によって女性社員が自殺するという痛ましい事件が起こり、社会を揺るがした。たった一例であったものの、これがきっかけとなり、「広告代理店は長時間労働でブラック企業なのでは」という認識が、就職活動生の間で広がりはじめた。賃金は高く、優秀な人が多数働き、大きな仕事ができるにもかかわらずだ。
どの人気企業も、ブラック企業と呼ばれておかしくはない。今はそういう時代なのである。