外資系ならずとも英語は必須の時代?
最近の求人広告では「TOEIC◯◯◯点以上」という条件をよく目にするようになりました。これは外資系企業に限った話ではありません。業界や職種、役職を問わず、日本企業でも一定の英語力を求めるようになっています。外資系企業であれば当然英語が公用語です。しかし、日本企業においても今や市場は国内だけではないため、英語力が求められているのです。
また、IT業界では、最新の製品やテクノロジーの多くは米国などの海外からやってきます。最新製品のロードマップや各種ドキュメント類はまず英語でリリースされます。Deepな情報満載のブログなどは、ほとんどが英語で書かれています。IT資格の試験やトレーニングコース、テキストなどもまず英語で開発され、英語の試験がリリースされます。これは弊社VMwareが提供している資格VCPも同様です。
つまり、英語ができないだけで情報格差が生じることが現実としてあるのです。そんな状況において「私は技術力があるので英語はいらない!」なんて言えないですよね。
日本人は本当に英語ができないのか
ところで、米国人に「英語以外に話せる言葉がありますか?」と聞くと、8割は「Yes」と返ってきます。理由も「学生時代にスペイン語を習ったよ!」などと軽い感じです。
一方、日本人に「日本語以外に話せる言葉がありますか?」と聞くと、8割は「No」と返ってきます。少なくとも中学・高校で6年間も英語を勉強したにもかかわらずです。理由を聞いてみると「留学経験とかないし……」と重い感じで言うのです。この違いは一体何なのでしょう?
私は、欧米人と日本人とでは「can(〜できる)」という言葉の重さが異なるのだと感じています。欧米人の多くは一度でもテニスをした経験があれば、「I can play tennis」と言います。 日本人は中高の部活などで汗水たらして練習をした経験があり、さらにインターハイで入賞経験があるぐらいでないと、「I can play tennis」とは言わないのではないでしょうか。
つまり、日本人にとって「can(〜できる)」と自信を持って言えないものは「can not(〜できない)」になってしまい、本当はできるのに「私は◯◯できない」という思考を自分の脳の中で勝手に作っているのだと思うのです。
私が特にそれを実感するのは、新しくリリースされた製品のトレーニング講師をしているときです。新製品のトレーニングでは翻訳が間に合わないので、テキストはたいてい英語のままで提供されます。ハンズオンの手順もすべて英語で記載されたものを使用します。
受講生の方の多くが「私は英語できないので〜」っと不安そうにおっしゃるので、演習の前には必ず「不明な点があったら何でも聞いてくださいね!」と付け加えるのですが、コース中、細かい英語表現で質問される方はほとんどいません。みなさん、黙々と英語マテリアルを読みながら演習を進めています。 それどこか、技術的に疑問が生じると、まずマテリアルを熟読してから、その表記に対する質問をしてこられるのです。それは、内容をきちんと読んで理解されているということですよね!
つまり、英語ができないと思っているのは勝手な妄想で、本当はちゃんとできているんです。