認定スクラムマスター研修とは
皆さん、「スクラム[1]」というアジャイル開発手法をご存知でしょうか。最近はアジャイルもメジャーになりつつありますから、聞いたことのある方も多いかもしれませんね。
スクラムは反復的で経験主義的なソフトウェア開発手法で、自己組織化されたチームの中で価値の高いものからユーザーに届けていき、プロダクトの軌道修正を俊敏に行う開発手法です。
スクラムを行うチームは3つのロール(役割)で編成されます。開発するプロダクトのROI(費用対効果)の最大化に責任を持つプロダクトオーナーと、チームのプロセスに責任を持つスクラムマスター、実際のプロダクトの開発に責任を持つ開発チームです。通常、チームは3名〜9名が最適とされ、プロダクトオーナーとスクラムマスターは各1名です。
中でもスクラムマスターは、プロダクトオーナーと開発チームとのコミュニケーションを円滑にしたり、両者の間でうまく開発できるようにしたり、時にはチームが課題を乗り越えられるように支援したりするなど、スクラム開発を実際に遂行するための縁の下の力持ち的な役割といえます。
そこで、スクラムマスターの研修が世界で実施されています。それが「認定スクラムマスター研修」です。
認定スクラムマスター研修はScrum Allianceが提供する研修プログラムです。Scrum Allianceから認定を受けた認定スクラムトレーナーが開催しています。この研修を受けた後、Webテストに合格すると認定スクラムマスターとして認められます。
ただし、認定スクラムマスター研修の受講料はおよそ20万円と決して安くはありません。個人で出すには大きな金額です。かといって会社に負担してもらうにも、認定スクラムマスター研修の価値をどう説明するかが問題になるでしょう。
そこで本記事では、私が受講したJim Coplien氏による研修の経験や解釈も踏まえ、認定スクラムマスター研修の受講にはどういう意味があり、受講すると何がどう変わるのかをお伝えします。
注
[1]: スクラムおよびその用語については「スクラムガイド」を参照のこと。17ページと短いので読むのに時間はかからないと思います。