「IT業界に勤める方の実態調査レポート」に関する調査は、IT業界に勤める開発プロジェクト経験者(マネージャ含む)516名を対象に、調査対象者がIT業界の現状を知り、ITエンジニアが求める企業、職場環境、仕事内容、プロジェクトのあり方といった、転職・キャリアチェンジに関する意向を測ることを目的として、2018年12月13日~15日の期間に実施された。
現在勤務している会社の職場環境や業務内容に満足しているかを尋ねたところ、「満足している」は29.7%と、多くの人が不満を抱えている現状が明らかになった。勤続年数別では、勤続3年目での不満度がもっとも高く、業界勤務年数で見ると年数が長くなるほど不満度が高くなる。
年収とのクロス集計を行ったところ、年収600万円以下の約4割が現状に満足しておらず、その理由としては「仕事上の評価が正当でないと感じるから(給料が安い)」(60.4%)がもっとも多かった。
現状に満足していない人の、給与や勤務時間といった労働条件以外の不満足の理由としては、「ロールモデルがおらず、自分が将来目指すべき姿がイメージできないから」「これ以上成長が望めないから」という理由が多く挙げられている。
キャリアチェンジの意向については、「キャリアチェンジしたい」人が約6割に達し、「キャリアチェンジしたくない」人の倍以上となった。
(転職・キャリアチェンジの意思に関わらず)転職したい企業を尋ねた質問では、「給与面において家族も賛成してくれるような会社」(46.9%)、「福利厚生面において家族も安心してくれるような環境が整っている会社」(40.7%)が上位となり、転職の軸としては安定や家族の意向も強く影響する。
転職またはキャリアチェンジの意思がある人の転職したい会社の条件としては、「知名度の高い会社」「ロールモデルとなる方のいる会社」「新たな仕事にチャレンジできる会社」「業務の領域が広がり成長できそうな会社」「事業の社会貢献度が高い会社」などが上位となり、ステップアップや事業の社会性の高さなどを重視する人が多かった。