「性格ナビ」では、93問の質問に答えることで、人生の欲求や行動傾向、他人とどのようにコミュニケーションを取る傾向があるかなど、自分を多面的に知ることが可能。特に「成人発達段階」にフォーカスして測定する。成人発達段階は、人間の精神的な成熟の度合いをカテゴライズする理論で、昨今では日本国内でも複数の企業で研究されているという。
同社では、カテゴライズされた各段階の名称とそのニーズを、次のように定義している。
- 競争型
- 親から独立して自分で仕事をし、自分で生活を回し、自分の生活を確立することを目標とする。他者と競争し、最高の成績、最高の仕事を欲し、より稼ぎ、より成功して相手に勝ちたいと考える。ストレス、プレッシャー、不安を感じる時期で、何かを満たそうと人生の中で最も生産性が強調される時期。
- 所属型
- 組織やコミュニティなど社会での自分の居場所を見つけることを目標とする。社会的に認められたいという気持ちが芽生え、自分はどのコミュニティに属し、どのような人たちに囲まれていることが居心地が良いのかに意識が向く。
- 自己探究型
- ある程度社会の中での居場所を見つけると、「自分とは何者なのか」「人生にはどういう意味があるのか」という意識を持ち始める。肩書ではなく、個人としてのアイデンティティを探求し始める。今までの人生で自分がどんな人間になったのか、社交的な時間が減り、自分の人生を振り返る個人的な時間が増える。
- 使命遂行型
- 自己を探求した後は、その上で、自分の使命や、今までの経験を元に社会にどんな貢献ができるか、ということに関心が向けられる。長年かけて自分を理解し、自分は何をするべきか、人生の目的のために生きる状態になる。
なお、同理論は大人の精神的な成熟の度合いを分析したもので、概ね20歳以上が対象となる。病気を測定するものでもない。また、成人発達段階は1つの段階に留まるものではなく、その段階は変容していくものであり、性格ナビでは、現時点で強く出ている潜在ニーズを比率で判定していると、同社では説明している。
そのほか、今回の性格ナビのリリースと合わせて、地方移住を支援する人材紹介会社YOUTURNが性格ナビを導入することを発表。プロセスジャパンとYOUTURNは若手管理職を対象とした事前調査も共同で行っており、彼らの働きに成人発達段階の影響があるという仮説を出した。
例えば、競争型の「他者との競争、勝ち負け、成功したい」というニーズを持った人材が管理職になると、自分自身の功績を上げることに目が向き、チーム全体のパフォーマンスの最大化に取り組めないことや、逆に、自分のニーズを押し殺してチームマネージメントに取り組むことで、自分自身の精神バランスを保てなくなることが予測される。そのため、競争型の人には、まずは自分自身の結果を求めることに集中できる環境を提案するのだという。