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2021年7月20日(火)12:30~17:00

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インタビュー | リーダーの育成

不確実性の時代のリーダーが持つべきは「聞く耳」、そのスキル・マインドを育成するための鍵やトレーニングとは

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 かつてリーダーは部下の見本や規範であり、「オレについてこい!」と牽引する存在だった。しかし、VUCA(変動・不確実・複雑・曖昧)の時代を迎えイノベーションが期待されるいま、リーダー像は大きく変わりつつある。これから求められるリーダーの人物像と、その育成で鍵になるものとは何か。長年にわたり人材開発分野でキャリアを築いてきた米コーナーストーンのハイディ・スピルギ氏に聞いた。

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理想のリーダー像はみんなをまとめてシンクロさせる指揮者

――これからのリーダー像とその育成についてうかがいます。かつてリーダーといえば部下の先頭に立ち、引っ張っていくのが役目でした。今では背後でサポートすることも求められているようです。

 私がリーダーとして思い浮かべるのはオーケストラの指揮者です。オーケストラはチームワークが必要です。指揮者は何も奏でることなく、バイオリニストやチェリストなど多様な演奏者をまとめ、シンクロさせるのが役目です。良い指揮者は自分を中心に据えません。多様なスキルを持つ演奏者に方向性を示してリードしていきます。詳細までは指示しません。詳細はそれぞれの演奏者のスキルに委ねるものだからです。

 リーダーに求められるのはインクルージョン(受容性)も含めた環境を作るスキルです。部下にとって安全な場所を作り、声を聞いていくことでもあります。インクルージョンとは、性別、人種だけではなく、いろんな思考や経験も含めたダイバーシティ(多様性)を迎え入れることでもあります。認知的な受容性のある環境を構築していかないと、本当の意味でのイノベーションは起こせません。

ハイディ・スピルギ氏
ハイディ・スピルギ(Heidi Spirgi)氏
2019年5月よりコーナーストーンの最高戦略・マーケティング責任者。PeopleSoft、Seagate Technology、Swiss Bank Corporation などを経て、戦略的人財管理コンサルティング会社Knowledge Infusionを設立。コーナーストーン入社前は、最も影響力のある経営思想家トップ50人の1人、マーカス・バッキンガム氏率いるMarcus Buckingham Companyで製品・サービス担当シニアバイスプレジデントを務めるなど、20年以上に渡り一貫してタレントマネジメントや人材能力開発に携わっている。

 ルネサンス時代に繁栄したメディチ家について語られた『メディチ・インパクト』という本があります。その時代はイノベーションが爆発的に起きました。いろんなバックグラウンドを持つ人たちが交わり、相互作用を起こしていたのです。異なるスキルや経験を持つ人たちが集まると、素晴らしいアイデアが生まれてきます。

 もう1つ、リーダーに求められる資質として挙げられるのが禅の「初心」です。人間は「自分はすでに十分高い専門性を持っている」と思うと、新しいアイデアを受けいれなくなる傾向があります。常に初心を忘れずに、です。

 また、リーダーは部下に安全な場所を提供することが大事です。「多少のリスクは冒してもいい」「失敗しても大丈夫」と思えるような場所です。失敗を受け入れられないとイノベーションは起こしにくいです。

――ただ、指揮者(リーダー)が方向性を示したとしても、演奏者(メンバー)がちゃんと演奏してくれるか分かりません。どうすれば良い演奏をしてくれるでしょうか。

 確かに、方向性を示すだけでは不十分です。リーダーはリーダーの責任のもとで部下に方向性を示し、部下の気持ちとつながっていくエンゲージが大事になります。そこでは“共感”が鍵となります。「私はあなたの立場で考えることができます」という意思を示すと、職場に変化が生まれてきます。

 人間の本能として、相手に心を開くときというのは「相手が自分をケアしている(気遣っている)」と感じられるときです。リーダーは相手をケアする気持ち、共感していることを示すことで、いろんなレベルでつながりが生まれてきます。部下も「ついていこう」という気になれます。

 現代は変化のスピードが速く、職場の人たちは「自分のスキルが陳腐化してしまうのではないか。このままでよいのか」など危機感を抱えています。危機的なほどです。そうした中、リーダーが部下に理解や共感を示し、加えて「これからもサポートしますよ」「あなたの未来の道筋はこうですよ」と部下に希望を与えることが重要です。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。 Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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