JPHACKSの大会概要については、こちらのJPHACKS組織委員長 江﨑浩氏とJPHACKS審査委員長 植松幸生氏へのインタビューもご覧ください。
世界を変えられるものをわがままに作ってほしい
JPHACKSは2014年に初開催。今年で6回目となる。「イノベータを目指す学生のための日本最大のハックイベント」と銘打たれているとおり、スポンサーとともにイノベーターになるような学生を発掘し、育てていくことが開催の目的だ。アイデアソンのようにアイデアを出すだけではなく、参加者は予選に当たる「Hack Day」において、実際にプロダクトを会場で開発する。
Hack Dayで開発されたプロダクトは、会場のオーディエンスによる審査と、審査員による審査を受ける。オーディエンスによる審査では、プロダクトを紹介するデモ(プレゼンテーション)を見て優れていると思ったものに、参加者を含めた会場の全員が投票する。審査基準は、問題着眼点・着想点、実行・実現可能性、完成度・動作性、プレゼンテーション力。最も票を集めたチームには、その会場でのBest Hack Day Awardが授与される。
一方、審査員による審査では、予選であるHack Dayをくぐり抜け、決勝戦である「Award Day」に進むチームを選ぶ。Award Dayにファイナリストとして出場できるのは、Hack Dayに出場した全国のチームのうちの15チームだ。審査では、プロダクトの完成度はもちろんだが、Hack Dayの時間内にどれくらいプロダクトを成長させることができたかも重視される。
審査員は次のとおり。産学双方から出ているほか、過去のJPHACKS出場者も加わっている。
- 植松幸生氏(ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社 AVA Analytics エキスパートリーダー)※審査委員長
- 鎌田富久氏(TomyK代表、株式会社ACCESS 共同創業者)
- 的場一峰氏(株式会社ヤマレコ 代表取締役)
- 江崎浩氏(東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授)
- 竹内郁雄氏(東京大学 名誉教授、IPA未踏 統括プロジェクトマネージャー、株式会社ギブリー 技術顧問)
- 堀雅文氏(東京大学大学院 工学系研究科 客員教授、一般財団法人 総合研究奨励会 理事・事務局長)
- 松野繁雄氏(NTTレゾナント株式会社 スマートナビゲーション事業部 担当部長)
- 上月忠司氏(富士フイルム株式会社 人事部 採用グループ マネージャー)
- 新田章太氏(株式会社ギブリー 取締役)
- 山崎健太郎氏、神武里奈氏、村山ゆい氏、木村信裕氏(JPHACKS OB/OG)
初日の冒頭には、開会にあたって、JPHACKS組織委員長の江﨑浩氏が挨拶。参加者に向けて、次のように述べた。
「今年のJPHACKSの開発テーマは『X-Tech 2019 ~Innovation for myself & by my hacks~』です。“X-Tech”は、何かとテクノロジーを組み合わせて(天気×テクノロジーなど)新しいものを生み出そうという意味。一方、“Innovation for myself & by my hacks”は、自己の欲求に素直に従って開発してほしいという意味です。そうでなければ、自分が本当にあるとよいと思えるものが分からなくなるからです。パーフェクトじゃなくてよいので、『これなら世界を変えられるのではないか』と思えるものをわがままに作ってください」(江崎氏)
なお、近年はIoTの流れもあり、ソフトウェアで完結せず、ハードウェアと組み合わせたプロダクトも作られるようになっているという。そのため、Award Dayでは今年からソフトウェア部門で1チーム、ハードウェア部門で1チームを優勝(Best Hack Award)として選ぶことになった。