2019年10月の転職求人倍率は、前月比0.17ポイント減の2.52倍で、求人数は前月比100.6%、前年同月比105.7%、転職希望者数は前月比107.7%、前年同月比104.6%だった。
業種別での「IT・通信」の求人数は前月比99.3%、職種別でも「技術系(IT・通信)」の求人数は前月比99.6%と、ともに先月に続いてやや減少した。ただし、前年同月比を見ると、業種別「IT・通信」の求人数が106.1%、職種別「技術系(IT・通信)」の求人数が109.8%と増加傾向は相変わらずである。
なお、業種別「IT・通信」の転職求人倍率は7.05倍(前月比0.80ポイント減)、職種別「技術系(IT・通信)」の転職求人倍率は8月・9月の10倍を割り9.40倍(前月比0.93ポイント減)だった。求人数が減少する中で、求人倍率も減少したことになり、10月は転職活動・採用活動が一服した形だ。
パーソルキャリアのdoda編集長 大浦 征也氏は、今回の結果について次のように述べている。
「10月の求人数は、下半期に採用予定の求人を一斉に出す企業があったため、2カ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新しました。転職希望者数は、年末での退職を目指して転職活動を始めた人がいたこともあり増加しました。転職市場の状態は良いままですが、前年同月比での求人数の増加率は鈍化しており、活況な市場にも変化が見え始めています。
11月以降の求人数は、緩やかに増加する見込みとなっており、転職希望者にとってチャンスの多い状況は継続しま す。しかし、中途採用が非常に活発化した昨年・一昨年と比較すると、求人によっては採用に慎重さがみられるため、今後の転職市場では、これまでの経験をできるだけ活かせる求人を探し出すことが転職成功の鍵となりそうです。ただし、ITエンジニアなど求人倍率の高い職種では、未経験者を歓迎する求人も多く、こうした職種を転職先の選択肢に入れることが、未経験分野へのキャリアチェンジの可能性を高めると言えます」(大浦氏)