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コミュニケーション力やマネジメント力がなくても大丈夫な組織の作り方 | #7

マネジメントしなくて済む人を採用すればマネジメントはいらない

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 マネジメントの目的は、会社として目指すゴールに向けてメンバーに活躍してもらうことでしょう。しかし、人はそれぞれの考えや思いで行動するため、誰もが同じイメージ、価値感でゴールを目指すことを期待するのは難しい。だからマネジメントが必要になるわけですが、その負担は心身のバランスを壊す人が出るほど大きなものです。そこで今回は、マネジメントの負担をできる限り小さくするための方法として「採用」を見直してみます。

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リクルートでは「おまえはどう思うんだ」とだけ聞けばよかった

 古巣の現職社員に怒られてしまうかもしれませんが、私が在籍していた“当時”のリクルートでは、「リクルートではマネジメントするのは簡単。メンバーが何か言ってくれば『おまえはどう思うんだ?』と聞いて、何か答えたら『そうか。ならそうしてみろ』とだけ言えばいいのだから」と、複数の人が言っていました。

 私も同感で、実際、私のメンバー達は皆優秀で、私は上記のような問いを投げかけていれば、プロジェクトが回っていたように思います。ある意味、この連載のタイトルのように「マネジメント力がなくても大丈夫な組織」に近い組織の1つだったかもしれません。

「自律的行動力のある人」しか採らないようにしていた

 そういうシンプルなマネジメントが通用したのは、もちろんそれに対応できる自律的に考えて行動できる人材が揃っていたからです。当時の採用基準は「自律的行動力」と言っており、問題が発生したときや、理想を掲げてそれを実現しようとなったとき、自分の頭でどうすればいいのか考えて、判断して、動ける人でなければ、一般的には優秀とみなされる人であっても採用しませんでした。このように組織の入り口で選考基準を厳格に適用していたからこそ、「おまえはどうしたい」マネジメントができたのです。日本人に多い、素直で従順で真面目な優等生タイプを入れてしまっていたら、そうはいきません。

人事パワーの半分を採用につぎ込む

 しかしながら、そういう「自律役行動力」のある人材は、教育の問題なのか、文化の特質なのか、理由はともかくも、残念ながら日本には多くはいません。つまり、そういう人を採用するのはとても労力が必要なのです。そのために、当時のリクルートでは100名ほどいた人事部員のうち半分の50名ほどが採用に携わっていました。おおよそ、10名採用するのに採用担当者フルタイム1名分という割合で採用体制作りをしていたからです。マンパワーだけでなく、採用にかけるお金も新卒採用でも1人あたり数百万円と、世の中の平均と比べてかなりかけていました。

本当に「採用が重要」と思っているところは少ない

 さて、「採用は最も重要だ」と多くの経営者や人事責任者は言います。しかし、重要なはずの採用に、実際に最も人事パワーを使っているところは少ない。もちろん嘘をつこうとしているとは思いませんが、結局そこまで重要だとは思っていないか、採用の重要性について心の底から理解、納得していないかでしょう。

 以前、有名経済誌に「リクルートの人事の秘密」という特集がありました。それは主にリクルートの人事の様々な制度や社内における施策についてのものでした。その記事を見た偉い人が、「制度がいいのではなく、いい人を採っているからその制度が効いているだけなのにね」と言っていたのを思い出します。

結局、「後工程」の人事で苦労している

 「いい人を取れば、マネジメントが楽になる」というのは誰でも理解し、同意してくれるような簡単な話だと思います。それなのに多くの会社では、採用に必要十分な力を入れないので、その結果、入社後の人事、つまり配置や評価、育成、マネジメントなどが大変になるという「後工程重視人事」になってしまっています。結果として、人事パワーを採用以外の「後工程」にかけざるをえず、その分採用にかけられるパワーが限られてしまうという悪循環に陥っているのです。逆に、採用に今よりももっと力を入れれば、後工程が楽になり、さらに採用にさけるパワーが増えるという良循環になるのですが。

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この記事の著者

曽和 利光(ソワ トシミツ)

1995年京都大学教育学部教育心理学科卒業。同年株式会社リクルート入社。人事部にて採用・教育・制度・組織開発等の担当、HC(Human Capital)ソリューショングループでの 組織人事コンサルタントを経て、人事部採用グループのゼネラルマネジャーとして最終面接官等を担当。2009年ライフネット生命...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/1942 2019/11/20 06:00

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