2020年上半期の転職市場全体としては、求人数の増加ペースは緩やかになるという。全14分野のうち「増加」が5分野、「変わらない」が7分野、「減少」が2分野と見込んでいる。
doda編集長の大浦征也氏は、この予測の理由について「ここ2~3年多くの企業は、働き方改革への対応、新しいサービスやプロダクトの開発、また、好調な業績を受けての労働力不足に対応するため、積極的に採用活動を行ってきたが、直近の経済環境の不透明さ、国内景気への慎重論などにより、採用のペースを少し落とし、様子を見る企業が増加する見込み」と解説。今後は、既存の製品やサービスだけで継続的な成長を見込むのは難しいため、新しい業界や海外にビジネスを広げようとする動きが活発化し、「マーケティング」「IT」「IPO(株式公開)」「M&A」「海外展開」「法務」をはじめとする専門知識を有する人材のニーズがますます高まるとした。
なお、「IT・通信」分野においては、ITエンジニアの求人ニーズは引き続き高いまま変わらないと予測。コンサルティング会社、SIer、事業会社、それぞれにITエンジニアの求人ニーズがあるとする。特に、事業会社の社内SEやコンサルティング会社で、SAPやSalesforceの導入や運用・保守ができるITエンジニアの求人ニーズが増えているという。
SIerは大手から中小企業まで、ITエンジニアの不足が常態化。IT・通信業界としても、依然として未経験者の採用が活発だとした。また、事業会社へのRPA導入を支援するコンサルタントの求人は、コンサル会社だけでなくSIerにも多数あり、未経験者が採用されるケースや、RPA導入経験のあるITエンジニアを事業会社が直接採用するケースもある。
そのほか、品質管理エンジニア(QAエンジニア)やAI、IoTなど先端領域のエンジニアの引き合いも高まっているという。
IT・通信分野をはじめ、全14分野の詳細な予測はdodaのこちらのページから参照できる。