基本情報技術者試験の内容
問題の構成と配点
本書執筆時点における基本情報技術者試験の問題構成と配点を次に示します。試験は、午前と午後に分けて実施され、制限時間は、どちらも2時間30分(150分)です。
問題は、午前試験、午後試験とも、すべて多肢選択式です。午前試験では、基礎知識や用語の意味を問う数行の短い問題が出題され、選択肢の中から正しい答えを選びます。午後試験では、午前試験と同様のテーマを具体的な事例に当てはめた数ページの長い問題が出題され、選択肢の中から正しい答えを選びます。
午前試験、午後試験、どちらも100点満点で、合格の基準点は、どちらも60点です。平均点ではなく、午前試験と午後試験それぞれで60点以上を取らなければならないことに注意してください。
プログラミング言語と疑似言語
午後試験の問9~問13(1問選択)は、プログラミング言語で記述されたプログラムの内容を読み取る問題です。選択できるプログラミング言語の種類は、問9がC言語、問10がCOBOL、問11がJava、問12がアセンブラ、問13が表計算です。これらの問題を解くには、いずれかのプログラミング言語を読めるようになっておく必要があります。
本書では、プログラミング言語の読み方を説明しません。プログラミング言語の経験がない受験者は、いずれかのプログラミン言語の教材を入手して学習してください。それぞれのプログラミング言語の特徴を次表に示します。
名称 | 特徴 |
---|---|
C言語 | UNIXというOSを記述するために開発された |
COBOL | 事務処理のために開発された |
Java | Webシステムを作るためによく使われる |
アセンブラ | 組み込みシステムで使われる |
表計算 | 自動的に計算を行う表を作成する |
午後試験の問8は、疑似言語で記述されたプログラムを読み取る問題です。疑似言語は、基本情報技術者試験独自の言語なので、試験問題に仕様が示されています。ただし、試験当日に仕様を読んでいるようでは、時間が足りなくなってしまうので、あらかじめ疑似言語の読み方を覚えておきましょう。本書の第7章で、疑似言語の読み方を説明します。
問8は、必須問題なので、疑似言語の読み方を覚えておくことは必須課題です。疑似言語は、問13の表計算の問題でも使われます。問2~問5のテクノロジ系の問題で使われることもあります。
問題を解く順序と解答時間の目安
午前試験
午前試験の解答時間の目安は、1 問あたり150分÷80問=約2分です。ただし、問題によって、30秒で解けるものも、5分程度かかるものもあります。80問すべての解答が必須なのですから、1問あたり約2分ではなく、80問で150分と考えてください。
午前試験は、多くの受験者が、時間が余ったと言います。ただし、苦手な問題に苦戦して多くの時間を使ってしまうと、焦りを感じて、できる問題もできなくなってしまいます。落ち着いて、解きやすい問題から着手しましょう。そして、すべての問題に解答して、時間が余ったら、必ず見直しをしましょう。うっかり間違いもあるので、自信がある問題であっても、必ず見直しをしてください。
午後試験
午後試験の解答時間の目安は、12点の問題が150分÷100点×12点=18分であり、20点の問題が150分÷100点×20点=30分です。
午後試験は、多くの受験者が、時間が足りなかったと言います。学習の際には、解答時間内に問題を解く練習をしてください。試験が近づいたら、1回分の午後試験の問題を150分で解く練習もしてください。問1と問8は、必須です。問2から問7は、6問中4問選択です。問9から問13は、5問中1問選択です。実際の試験で、問題の選択に無駄な時間を使うことがないように、問題を選択する練習もしておきましょう。