マイナビは、社会人の正社員採用担当者1808名を対象とした「臨時版転職ニーズ調査」、現在転職活動中または1年以内に転職活動をした20~59歳までの正社員1600名を対象とした「転職活動者の行動特性調査」、正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2019年に転職した社会人1500名を対象とした「転職動向調査2020年版」の結果をまとめた「新型コロナウイルスが転職市場に及ぼす影響」のレポートを発表した。
調査の結果、2020年4月時点で明確に採用を「減らす」「中止」とした企業の割合は16.4%だった。また、採用予定数も2019年12月から2020年4月で14.6%のマイナスに留まっており、さほど大きな減少傾向には至っていない。
一方で、1年以内に転職活動を行い、まだ転職していない人と転職済みの人それぞれに、新型コロナウイルス感染拡大の影響後に活動を再開したかどうかを聞いた。結果、すでに転職済みである800名の内、約3割が転職活動を再開したと回答した。
さらに、転職活動を再開した人の4割は、現在勤めている会社の新型コロナウイルス対策について不満と答えており、1年以内に転職して現在は転職を考えていない人に比べると1.7倍に当たることが分かった。新型コロナウイルスに対する従業員への対応が、人材の転職意向を高める可能性があることがうかがえる。
なお、選考活動でWeb面接の経験がある人の割合は39.9%。2020年3月以降にWeb面接を受けている人のうち66.2%は、対面の面接と比べても十分に情報を得られたと回答した。Web面接が浸透していることが分かる。
『マイナビ転職』編集長の荻田泰夫氏は、今回の調査結果に対し、「企業側にとっては採用の好機と捉えることもでき、Web面接をはじめ、このような状況下でも積極的な採用活動をおこなうことは重要であるといえる。今後の先行きが読めない中、人材流出の阻止という点も重要であり、新型コロナウイルス対策をはじめ、多様な働き方への対応を進め、就労環境を整えることが早急に求められるのではないか」と述べている。