ディスコは、全国の主要企業1万4017社を対象に、6月1日の採用選考解禁から1か月が経過した7月上旬時点の採用活動状況について調査を行い、結果を発表した。調査期間は2020年7月1日~9日で、回答数は1263社。
2021年3月卒業予定者の採用見込みについて、20年入社者よりも採用を「増加」すると回答した企業は全体の15.0%だった。これに対し「減少」と答えた企業は27.6%に上り、「増加」を12.6ポイント上回った。2月に実施した調査では、「増加」が「減少」を上回っていたが、7月調査では逆転しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、採用抑制に転じた企業が多いことが読み取れる。また、採用見込みを従業員規模別に比較してみると、いずれの規模も「減少」が「増加」を上回った。
学生の反応について2020年卒採用と比較すると、エントリー数、選考応募者数ともに「増えた」と回答した企業が増加した。
面接の開始時期を見ると、早い時期の数値が軒並み上昇した。とりわけ1月以前が4.7%から8.6%へと増加しているのが目立つ。前年は3月下旬が最多だったが、今年は3月中旬へと早まった。早期の開始が増えた一方で、新型コロナ感染拡大の影響を受け、遅い時期の数字も増加した。5月中旬以降は前年実績を上回っている。
内定者に対する満足度については、「質・量ともに満足」が大きく上昇した。一方、「合同企業説明会」「学内セミナー」など、学生との接触機会は軒並み大幅減となった。
採用活動のオンライン化については、WEBセミナーを「新型コロナウイルスの影響で新たに導入した」企業が52.7%で半数強となった。WEB面接については、「新型コロナの影響で新たに導入」が6割を超えた。従業員規模が大きいほど、導入率が高いことがわかった。
採用選考を終了した企業は全体の26.0%、充足率の平均は58.4%となり、いずれも前年を下回った。なお、今期の採用戦線についての考えを尋ねたところ、「完全に売り手市場だと思う」との回答は、前年調査の63.5%から7.7%に大きくポイントを下げた。「やや売り手市場」(33.3%)を合わせても、今期を売り手市場と捉える企業は約4割。前年までは9割を超えていたことと照らし合わせると、コロナ禍による市場観の変化の大きさがうかがえる。
インターンシップ実施状況と効果については、実施企業の約8割が採用活動への効果を実感。「学生の企業理解向上」が最多となった。また、2022年3月卒業予定者の採用計画については、半数が2021年卒並みの採用を予定するも、4割弱が「未定」と回答した。
なお、本調査の詳細はこちらからダウンロードできる(PDF)。