fruorが運営するキャリアカウンセリングサービス「ミートキャリア(meetcareer)」では、企業などで育休を取得し復職した人を対象に「復職後の働き方やキャリアの悩みと、会社に求めるサポート」についての意識調査を実施し、結果を発表した。調査期間は2020年8月27日~31日で、564名から回答を得た。
復職時に会社との面談は、「制度としてあり、面談を行った」人が46.6%、「制度はなかったが自ら申し出て行った」人が23.4%と、合わせて70%が実施。一方で、復職後のキャリア展望については「しっかり描けていた」「少し描けていた」を合わせても37.4%に留まり、多くの人はこの先のキャリアが見えないまま復職していることが分かった。
また、「面談は働き方ややりたい事の希望を聞かれることもなく、決まった事を通告される場だった」という声もあり、面談が会社とのすり合わせの場になっていないケースもあるようだ。
復職後の働き方やキャリアについての悩みや不満(複数回答)については、「時間内で成果が出せるか」(53.9%)、「時短で給料や評価が下がる」(51.2%)、「スキルアップや昇進昇格の機会が遠のいた」(41.1%)など、多岐にわたった。「時短が取れない」という悩みは11.3%と相対的に低く、勤務時間の希望は叶っている一方で、「時短なのに業務量が減らない」(30.3%)という悩みは上位に挙がった。自由回答欄では、時短勤務での評価への不満や業務量オーバー、過剰な配慮によるやりがいの喪失など人によって様々な悩みが見られた。
しかし、これらの悩みや不満を上司や会社に伝えたか聞いたところ、「伝えなかった」が過半数を占め、うち4人に1人は「全く伝えていない」と回答。伝えなかった理由は4割の人が「子育て中である事情を考えると我慢すべきものだと思った」と回答している。
復職者の悩みは仕事だけでなく、家事や育児の悩みも複雑に絡み合っている。復職後、「両立の困難さから会社を辞めることを考えたことがある」人は「何度もある」「1、2度ある」を合わせおよそ6割に上った。
復職後も意欲的に働くためにあったらいいと思うサポートや環境(複数回答)では、「柔軟な働き方ができる制度」(83.3%)や「勤務時間ではなく成果で評価する制度や風土」(58.3%)に続き、「個々の家庭状況や希望に合わせた働き方やキャリア設計のための定期的なフォロー面談」(56.6%)、「自分の悩みや課題についてキャリアの専門家に相談できる場」(47.0%)が並んだ。制度による一律の支援だけでなく、個々の状況や希望に合わせた定期的なフォローや相談の場を欲していることがうかがえる。また、「仕事だけでなく、日々の家庭生活や育児をサポートする施策」(44.1%)も上位に入り、ライフ面の充足あってこその仕事と考える人も多いことが分かった。
復職前後の会社からのサポートでありがたかったことと残念だったことを自由回答で聞いたところ、「ありがたかったこと」では職場の理解のほか、制度面ではコロナ禍を受けて進んだ在宅勤務を挙げる声が目立った。「残念だったこと」では職場の無理解や対話不足が多く見られた。
なお、ミートキャリアでは、本調査結果も活用した企業人事・経営者向けセミナー「これからのダイバーシティ」をオンラインで開催する。日程は9月17日(木)で、参加費は無料。企業の福利厚生やダイバーシティ策としてキャリア、妊活、食事と育児世代向けのサービスを提供するスタートアップ3社の代表が集い、この時代だからこそ必要な両立支援策について議論する。
調査詳細URL:https://note.com/meetcareer/n/n87c1310adac9