グロービスが提供する「グロービス学び放題フレッシャーズ」は、人事担当者を対象に「内定者・新入社員に関する意識調査」を行った。調査期間は2020年8月21日~24日、22歳~69歳の男女人事担当者200名から回答を得ている。
コロナ禍(コロナ後)において自分で考え自分で行動する自律型人材の必要性は増すと思うか、という質問に対しては、「自律型人材の必要性は増す」という回答が69.5%を占めた。企業において、変化の大きい環境の中でも、積極的に新たな事業に取り組んでいくための人材が求められていると考えられる。
また、「自律型人材の必要性は増す」と回答した群に、コロナ後の環境において、内定者に期待する取り組みのうちで一番大事だと思うものを質問したところ、トップは「自社の理念についての理解」(28.1%)となった。回答者定性コメントからも、「会社の理念を理解しないと長続きしない」という早期離職防止を意識した回答や、「コロナ禍で集合研修が困難な中で自社理念を理解させることが最優先される」という一体感の醸成を意識した回答が見られた。
ビジネススキルや専門知識などの19項目について、入社後活躍するために「内定時に取り組むべきこと」を尋ねたところ、2020年の回答の上位3項目は、「自社の理念についての理解」(58.5%)、「コミュニケーション能力」(54.5%)、「ビジネスマナー」(51.0%)となった。2019年に人事担当者を対象として行った「仕事とビジネススキルに関する意識調査」の結果と比較すると、コミュニケーション能力の順位に大きな変化が見られた。テレワークが広まる中、コミュニケーションを円滑に行っていくことがこれまで以上に重要になっていることがうかがえる。
コミュニケーション能力を除いた「内定時に取り組むべきこと」のうち、「論理思考力」については、内定時にコミュニケーション能力への取り組みが必要と回答した群では、重視するとしたのが45.0%であるのに対し、必要と回答していない群では、重視するとしたのが18.7%と、26.3ポイントの開きが見られた。これらのことから、テレワークが主体となりコミュニケーションが求められている企業では、従来の協調性という意味合いだけではなく、周囲と的確にやり取りできるという意味合いが強まっており、論理的思考力の必要性が高まったと考えられる。
2021年度に予定している新入社員研修方法は、集合研修やeラーニング研修などを単体で行うよりも、それらを組み合わせるという回答のほうが約4割と高くなった。新型コロナウィルスの影響で、2020年度はオンラインで実施できる研修方法を採用する企業が増えたが、2021年度も引き続き取り入れていきたいと考えている企業が多いことが明らかになった。