イレギュラー対応が多く負荷の高い通勤手当業務
通勤手当業務の負荷の高さには、様々な要因があります。その最大の要因は、多くの企業において通勤手当支給の根拠となる経路が「最も経済的かつ合理的」というあいまいな基準で決定されていることと考えます(次図の「外部要因」参照)。
これは所得税法上、非課税となる条件として定義されているものであり、結果として多くの企業で支給条件として準拠しています。ただ、「経済的・合理的」の判断は極めてあいまいであり、最終的には担当者の判断に委ねられているのが現状です。担当者にとってゆかりのない地域の通勤経路を正しく判断することは、決して容易ではありません。人事として合理的だと決定した経路が、従業員にとって合理的でないことは日常茶飯事といえるでしょう。
結果的に一定の従業員サービスレベルを維持しようとした場合、
- 正しい経路や最寄り駅を決定しているかどうかのチェック工数の増大
- 人事判断に承服できない従業員への説明と、事情を踏まえた上でのイレギュラーな経路管理、交通費支給管理による業務効率の悪化
- イレギュラー対応のため、システム化や運用改善による解決が困難
という影響が起こります(上図の「内部要因」参照)。
したがって、まずは制度設計を見直して運用負荷の軽減を図るということが、本質的な解決につながります。