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「新入社員の入社後コンディション推移調査」の分析結果を発表―リクルートマネジメントソリューションズ

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2021/04/01 08:40

 リクルートマネジメントソリューションズは、2015年4月から2021年2月に取得した約2万3000名のデータ合計約20万件[1]を対象に、新入社員の入社後のコンディションの推移とそれらの年度変化について分析し、その結果を公表した。

 調査結果と考察について、リクルートマネジメントソリューションズは以下のように述べている。

入社後1年間の月別コンディション推移(累計)

  • 図表1は月別の5段階の総合判定による各コンディションが占める割合である。コンディションは良好な順に、「イキイキ」「イキイキ(要注意)」「モヤモヤ」「ギリギリ」「ヘトヘト」である。コンディション判定は、モチベーション、負担感に関する自己申告のサーベイ結果をもとに図表1右下の総合判定によって行った。
  • 年度の後半になるにつれて徐々にコンディションが良好な社員の割合が減少している
  • 具体的には、コンディションが良好な社員の割合は、4月には93.8%なのに対し、年度の後半になるにつれて徐々にその割合が減少し、3月には78.2%まで減少する

⇒一般的に入社直後(4~6月)のケアが重要視されるが、新入社員のコンディションはそれ以降も悪化する傾向があるため、年間を通したケアが必要であるといえる。

図表1 入社後1年間の月別コンディション推移(累計)
図表1 入社後1年間の月別コンディション推移(累計)

コンディション悪化回数4~6月と7月以降の関係

  • 図表2は「ヘトヘト」「ギリギリ」「モヤモヤ」のいずれかになった状態を悪化していると定義し、入社後3か月間(4~6月)で状態が1回も悪化しなかった群と1回以上悪化した群で、7月以降の9カ月間で状態が悪化した回数を比較したものである。
  • 入社後3カ月間におけて1回以上悪化した群の方がその後も悪化する傾向にある。入社後3か月間で1回も悪化していない社員が、その後の9か月間で悪化する回数は平均1.2回であるのに対し、入社後3か月間で1回でも悪化した社員は平均4.4回である。

⇒入社後3カ月間は、集中的なケアが求められる。

⇒図表1、2から、入社直後3カ月間のケアはこれまで通り重要であることに変わりはないが、状態悪化者に対しては、通年でケアする重要性が示された。

図表2 コンディション悪化回数 4~6月と7月以降の関係 ※ヘトヘト・ギリギリ・モヤモヤのいずれかになった回数を悪化回数として定義
図表2 コンディション悪化回数 4~6月と7月以降の関係 ※ヘトヘト・ギリギリ・モヤモヤのいずれかになった回数を悪化回数として定義

コンディション推移の年度間比較

  • 2015年から2019年までは図表1に示した全体データでの結果と同様に徐々にコンディションが良好な社員の割合が減少している傾向があり、年度間での大きな差異はない。
  • 2020年においては、例年に比べて同月のコンディションが良好な社員の割合が多く、悪化する社員の割合が少ないことが分かる。2月度で比較すると、2020年度はコンディションが良好な社員の割合が85.6%と過去最高である。

⇒2020年度の新入社員が新型コロナウイルス感染症対策による就業環境の変化の影響を強く受けたことを表している。

図表3 コンディション推移の年度間比較
図表3 コンディション推移の年度間比較

負担感尺度の年度間比較

  • 負担感の各尺度は2019年までは似た傾向である。例えば、「仕事のプレッシャー」は通年で高く、それ以外の尺度は4月から3月にかけて上昇していく。
  • 2020年は、「働く環境」や「周囲のサポート」に関する負担感が例年に比べて上昇しにくいことが特徴的である。

⇒リモートワークやオンラインでの研修が多かった2020年度の新入社員が、オンラインでのコミュニケーションに十分に適応できているだけでなく、同僚や上司と会わないことで、これまでにあった職場での気疲れが軽減していると考えられる。

図表4 負担感尺度の年度間比較
図表4 負担感尺度の年度間比較

モチベーション尺度の年度間比較

  • モチベーションの各尺度も図表5の負担感と同様に2019年までは似た推移であるが、「将来展望(今の会社・仕事を通してどれだけ自身が成長・活躍できると感じているかを表す尺度)」については、2017年以降は2016年以前に比べて下がりにくくなっている。

⇒2017年以降は2016年から本格化した新卒採用の売り手市場で内定を多く獲得した先輩の姿を見て就職活動に臨んだ世代であり、入社自体への満足度が高い層が増加し、将来への不安が減少した可能性があると考えられる。

  • 2020年は「将来展望」を含むほとんどの尺度で前年の2019年と似た傾向であるが、「成長実感」については、例年4月が最も高く、3月にかけて低下していくのに対し、2020年は4月の値が相対的に低く、その後大きな変動は見られない。

⇒4月の値が例年に比べて低いのは、オンライン研修が多く、職場でのOJTを通じた働くことへの実感を十分に得られていないからではないかと考えられる。

⇒2020年の大きな環境変化は、負担感についてはポジティブな影響を与えた一方で、入社直後に経験すべき「成長実感」を十分に得ることができないというネガティブな影響ももたらした可能性がある。このことから、2020年はこれまでの新入社員が通過儀礼のように直面してきた「壁」を経験する機会が少なかったことが推察されるため、将来的にどのような影響が出てくるのか、今後も注視が必要である。

図表5 モチベーション尺度の年度間比較
図表5 モチベーション尺度の年度間比較

[1]: リクルートマネジメントソリューションズが提供する新人・若手向けのコンディションサーベイ「ReCoBook」の2015年から現在までの約6年間分のデータを使用。サーベイは基本的に月に1回の頻度で実施され、結果は主に負担感尺度とモチベーション尺度、両尺度を統合した5段階の総合判定(良好な順に、「イキイキ」「イキイキ(要注意)」「モヤモヤ」「ギリギリ」「ヘトヘト」)から構成される。負担感尺度とモチベーション尺度は、それぞれ5つの下位の尺度から成る(下表)。

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