レバテックは、同社が運営するITエンジニア専門新卒向け就職支援エージェント「レバテックルーキー」において、新卒エンジニアを採用する企業の新卒採用担当者321名を対象に、今後のエンジニア採用動向と採用課題について調査を実施し、結果を発表した。調査期間は2021年2月5日~2月8日。
23卒エンジニア採用では、新卒採用を行っている企業全体の58.2%が2021年3月時点で、オンライン選考の導入を予定していることが明らかになった。本社所在地別で見ると、首都圏に所在する企業のうち61.2%、首都圏以外に所在する企業では53.0%がオンライン選考を導入するという結果になった。
一方で、「全て対面実施」と回答したのは全体の4.7%だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、選考のオンライン化が進んだことと、オンライン選考導入により母集団の増加や採用予算のコスト削減など従来の採用よりも効率的になったことが要因として考えられる。22卒採用では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全体の8割がオンライン選考を導入していることが明らかになったが、23卒採用でもオンライン選考を継続する企業が多いことがうかがえる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全体の25.3%が23卒採用の開始時期を例年よりも「早期化する予定」という結果になった。採用開始時期は、全体の22.2%が2021年6月よりも前に開始予定と回答。また、全体の51.5%が2021年内に本選考開始を検討していることが分かった。一方で、「晩期化する予定」と回答したのは全体の3.7%となった。4社に1社が「早期化する予定」と回答したのに対し、晩期化する企業は少ないことがうかがえる。全体の49.2%は、採用開始時期に「変化なし」と回答していることから、約半数の企業は、22卒採用と同様の時期に23卒の本選考を開始することが見受けられる。また、「未定」と回答したのは全体の21.9%となった。
23卒の本選考開始前に実施予定のコンテンツで最も多かったのは、「会社説明会(57.9%)」となった。次いで、「1日インターン(26.3%)」「社員面談(26.3%)」「セミナー(24.6%)」と続いた。一方で、回答が少なかったのは「3か月以上の長期インターン(3%)」「3か月以内の長期インターン(10.4%)」という結果になった。23卒採用は、全体の約6割が選考のオンライン化を予定していることから、オンライン上で手軽に実施が可能、かつ学生が気軽に参加できるコンテンツを取り入れる企業が多いことが考えられる。
23卒採用と並行して22卒内定者フォローを実施するケースが一般的と考えられるが、同調査では22卒内定者フォローについて「実施する予定はない」と回答した企業は全体の8.4%だったことから、ほとんどの企業で入社前フォローが実施予定ということが明らかになった。22卒の入社前フォローで最も多かったコンテンツは、「社員面談(46.1%)」だった。次いで、「交流会(36.4%)」「座談会(32.7%)」という結果になった。
新卒エンジニア採用をする上で、特に苦労していることで最も多かったのは、「学生のスキルレベルの見極め(56.7%)」ということが明らかになった。次いで、「現場エンジニアと人事の目線摺合せ(30.2%)」「採用要件の設定(23.4%)」と続いた。選考のオンライン化に関係なく、新卒エンジニア採用では総合職とは異なり、プログラミングスキルやエンジニアとしての素養などの専門的な知識や経験が選考要素の一部に含まれることが原因と考えられる。
また、オンライン選考のデメリットとして多かったのは、「候補者の雰囲気や表情が伝わりにくい(42.6%)」、次いで「正確に候補者をジャッジできているのか分からない(20.3%)」ということから、選考のオンライン化が進む中で学生のスキルレベルのジャッジや採用要件設定は、新卒エンジニアを採用する企業側にとって、今後より重要な課題だと考えられる。