エイチームは、IT企業で働く社員のビジネススタンダードとして「AI(人工知能)基礎教育」を実施することを決定した。同社は2020年8月より、全社目標「全社『AI』基礎力アップ!」を掲げ、グループ全社員への研修を実施。また、2021年5月から2021年度入社のエンジニア、非エンジニアを問わず新入社員全員を対象に「AI基礎教育」研修を実施する。
同社は2018年6月に、AIを研究開発する全社横断プロジェクト「AI WORKING GROUP」を立ち上げ、幅広い領域でAIを活用している。しかし、DXの推進、行政のデジタル庁新設、小学校のプログラミング教育必修化など、ITやAIの教養がビジネススタンダードになりつつあることを受け、非エンジニアの社員にもAI基礎教育が必須として、AI人材育成・活用を目的とする全社員対象のAI教育プログラム実施に踏み切った。
同研修は、2020年8月より営業やマーケターなどのビジネス領域・マネジメント領域・スペシャリスト領域の社員766名(約70%)を必須受講対象者として実施された。カリキュラムは最大50時間で、2021年2月に、学んだAI基礎力を測るため、必須受講者全員を対象に「AIテスト」を行っている。
さらに、エンジニア、非エンジニアを問わず2021年度の新入社員全員を対象として、同様のカリキュラムを2021年5月から実施する。
受講後に実施したアンケート(回答者数373名)では、AI研修への意欲は高く、熱心に受講した様子がうかがえたという。研修の成果としてもスキルの向上実感が6割弱で研修の成果が見られ、3%(13名)の社員が実際の施策に活用し、現在の業務において取り組んでいる。
また、アンケート2位の「エンジニアとの会話の質が上がった」8%という回答に注目。これまで新サービス開発の際に、AI知識がない社員とエンジニアとの間で難しかったコミュニケーションが、研修により一定の理解が進み、新たなアイデアや発想が生まれるなどの効果が現れていると、同社では述べている。