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学習の実際
ちょっと昔話になってしまいますが、まずは私が学習したときのことをお話ししたいと思います。今とはだいぶ違う環境の話ではありますが、参考までにお付き合いください。
私の場合、実機学習がとにかく先行していました。何も見ずにひたすらLinuxを触っていたわけではないのですが、とにかくLinuxを触って動かして、分からないところがあれば調べて試すことを繰り返すやり方でした。ですから、効率は良くなかったと思いますし、失敗もたくさんありました。
学習というにはお粗末でしたが、試行錯誤しながら実機をとにかく触るということがいい勉強になり、必要な関連知識にも自然と手が伸びていきました。このときの経験がその後の基礎知識となったことは間違いありません。
無茶なサーバー構築体験がその後を支える基礎知識に
当時はクラウドなんてものはありませんでしたし、レンタルサーバーも個人が気軽には使えませんでした。そこで、メインで使っているPCをWindowsとLinuxのデュアルブートにしようと考えました。
Linuxをインストールすること自体が初めてであるにもかかわらず、デュアルブートということも考慮する必要があったため、作業は難航しました。WindowsやLinuxといったOSの仕組みだけではなく、PCが起動するための仕組みについても学ぶ必要があり、インストールも何度もやり直しました。あるときにはBIOSの設定を誤って、Linuxはもちろん、普段使いしていたWindowsまで起動しなくなってしまいました(復旧には冷や汗をかいたことをよく覚えています)。ただ、そんな試行錯誤を繰り返したおかげで、Linux以外の周辺知識もいつの間にか身に付いていきました。
デュアルブートでのLinuxインストールに成功した後、今度はLinuxでサーバーを構築しようと思い立ちました。今思えば危険なこともしたなと思いますが、インターネット上に公開された24時間稼働のサーバーを構築の目標にしました。
24時間稼働ということで、メインPCのへのデュアルブートではなく、専用のPCを用意します。置き場所や動作時の音などを考慮して、ノートPCをサーバーにすることにしました。今は安く購入できますが、当時はノートPCがまだまだ高価な品だったので、中古で本当に低スペックのノートPCを購入して使うことにしました。
サーバー構築をするためには、ネットワークやインターネットの知識も学ぶ必要があります。大変ではありましたが、これも非常に勉強になった体験でした。Linuxを起点として幅広い知識を学ぶきっかけにもなりました。
このようにして学んだことは非常に稚拙ではありましたが、自分なりにまとめてWebで公開していました。他の人の役に立つかもしれませんし、まとめておくことで再利用できる情報になるだけではなく、記憶の定着にもつながりました。
昔話が少々長くなってしまいました。こんな私の経験を踏まえて、これからLinuxを学習し、いずれはLPIC取得をと考える皆さんの役に立ちそうなことを、次ページから紹介していきます。