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イベントレポート《組織やチームの編成・運営》| HR NOTE CONFERENCE 2021

組織が崩壊に向かったとき、CEOとしてどう立て直したか――グッドパッチとユーザベースの場合

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 多くの企業は、強い組織となるまでに紆余曲折を経ているものだ。特に組織が急成長するフェーズでは、新たに入社する人材が急激に増え、カルチャーを浸透させることが難しくなった結果、想定外の方向に進んだり、組織自体が傾きかけたりすることもある。そんな「しくじり体験」を経験したという、株式会社ユーザベース代表取締役Co-CEOの稲垣裕介氏、株式会社グッドパッチ代表取締役社長/CEOの土屋尚史氏が、HR NOTE CONFERENCE 2021のセッション「組織のしくじり経験から令和時代の組織運営を学ぶ」に登壇。株式会社HARES/CEO副業研究家 HRマーケターの土屋尚史氏のモデレートのもと、それぞれ紆余曲折から体得した「組織が傾きかけたときに必要な対処方法」や「令和時代に強い組織をつくるための方法」などについて語った。(※内容は2021年8月の開催時点のもの)

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稲垣 裕介

稲垣 裕介(いながき ゆうすけ)氏
株式会社ユーザベース 代表取締役Co-CEO
大学卒業後、アビームコンサルティング株式会社に入社。プロジェクト責任者として全社システム戦略の立案や、金融機関の大規模データベースの設計、構築等に従事。2008年に新野良介氏、梅田優祐氏とともにユーザベースを創業。2020年から現職。

土屋 尚史

土屋 尚史(つちや なおふみ)氏
株式会社グッドパッチ 代表取締役社長/CEO
2011年9月に株式会社グッドパッチを設立。「デザインの力を証明する」というミッションを掲げ、様々な企業の事業戦略からUI/UXまでを支援し、企業価値の向上に貢献。ベルリン、ミュンヘンにもオフィスを構え、世界で200名以上のデザイナーを抱える。2020年6月、デザイン会社として初の東証マザーズ上場。

西村 創一朗

西村 創一朗(にしむら そういちろう)氏
株式会社HARES/CEO 副業研究家 HRマーケター
新卒でリクルートキャリアに入社後、法人営業・新規事業開発・中途採用などを歴任。在職中の2015年に「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」をミッションに株式会社HARES(ヘアーズ)を創業後、2017年に独立。今回のテーマである「オンボーディング」を含め採用・人事領域を中心に多数の企業のアドバイザーを務めるほか、人事系イベントのモデレーター/ファシリテーターとしても活躍。著書に『複業の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)がある。

今をときめく2社が貴重な「しくじり体験」を語る

 「しくじり体験を赤裸々に語りたい」――そんな稲垣氏の言葉からセッションはスタートした。

 ユーザベースは「経済情報で、世界を変える」をミッションに掲げ、経済情報サービス「SPEEDA(スピーダ)」、ソーシャル経済メディアの「News Picks」など、多彩なサービスを展開してきた。そのため、サービス組織ごとに多様化していることが組織の特徴の一つといえる。そして、チームによる共同経営を行い、CEOは常に2人以上、取締役が3人以上という形をとってきた。

 しかし、創業メンバー3人のうち梅田優祐氏が2020年、新野良介氏が2018年に離脱し、残る稲垣氏が現在唯一の代表を務め、新たに参加したメンバーとともに経営を行っている。そうした新旧が入り交じる組織、そして様々な事業体を運営する中で、稲垣氏が非常に重視しているのが「文化」だという。ユーザベースでは文化を支える「The 7 Values」という価値観を言語化し、社内に浸透させる取り組みを実施してきた。また、2013年からアジアと北米を中心としたグローバルな事業活動にも挑戦し、国籍やジェンダーなどのダイバーシティを意識した組織づくりを行っている。

 そして、もう1人の登壇者である土屋尚史氏が代表取締役を務めるグッドパッチは、デジタル戦略に基づく新規事業立ち上げやプロダクトのUI/UX改善などを行うデザイン会社だ。日本とドイツで展開しており、正社員が100名弱、さらにフリーランス400名ほどが名前を連ねる。「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョン、「デザインの力を証明する」をミッションに掲げ、10周年を迎える。

 こうしたビジョン・ミッションを掲げる理由として、土屋氏は「日本でもデザインの価値が向上してきたのを感じるが、それでも全体ではデザインが狭い意味で捉えられている。デザインが上流から関わることで、ユーザーやクライアント、街や社会などの価値が大きく変化する。そういった広義のデザインの重要性を伝えたい」と語る。

 デザイン会社として初めて2020年に東証マザーズに上場を遂げているが、実は社員100人を超えた創業後5年目に、組織崩壊の危機に陥ったという。その経験があったため、上場という変化の際に崩壊の危機を迎える企業が多い中、うまく乗り越えることができたという。

 それぞれに紆余曲折を経験し、かつての”しくじり”を糧に存在感を高める2社について、事前に参加者が投票で選んだ3つのテーマでトークセッションが行われた。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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