manebiは、国内企業500社に対して「リスキリング(学び直し)」の実施状況に関するアンケートを実施し、調査の結果を発表した。
調査概要と結果は以下のとおり。
- 調査⽅法:インターネットでのアンケート調査(⽇本全国を対象)
- 調査対象:社員教育担当者(役員、⼈事、事業開発、各部署教育担当など)
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調査実施⽇:2022年1⽉5⽇(有効回答数 500)
※回答率は端数処理の関係で、合計が100%にならない場合がある
5割以上の企業がリスキリングを実施
「リスキリングを実施している」が52.6%、「今後実⾏する予定」が13.2%となり、5割以上の企業がリスキリングを実施していることが分かった。近年、リスキリングを後押しする政策が打ち出されているほか、DX推進の動きも追い⾵となり、社員へのリスキリングに注⼒する企業が多いのではないかと推測している。
リスキリングの学習分野として「データ分析」「情報セキュリティー」が⼈気
「どのような分野のリスキリングを実施していますか?(複数選択)」の質問で、最も多かったのが「データ分析」(40.12%)となり、続いて「情報セキュリティー」(39.82%)、「ITリテラシー」(37.39%)、「デジタルマーケティング」(31.61%)に回答が集まった。また、DXにおける基礎教育に⼈気が集まった⼀⽅で、「AI」「プログラミング」などの分野をリスキリングしている企業は少数であった。
リスキリングを実施する理由
「⼈材育成・⼈材戦略」「DX」に加え、「社員のモチベーション向上」など
「リスキリングを実施する理由を教えてください(⾃由記述)」については、下記の回答があった(⼀部抜粋)。
- リモートワーク拡⼤によるDXスキルの強化
- 社員に向けての学び直しや再教育を⾏うことでモチベーションを⾼める
- IT⼈材の育成
- ITリテラシーの強化のため
- ITや個⼈情報に関する教育。また在宅勤務に関するリテラシー教育
- 現況のコロナ禍などによる環境変化に対応するために、リモートや様々な勤務態様の変化に対応できる⼈材育成
「⼈材育成・⼈材戦略」「ITリテラシー強化」「DX」に加え、「社員のモチベーション向上」といったキーワードが上がる結果となった。
リスキリングの学習⼿段、1000名以上の⼤企業ではオンラインが主流
「どのような学習⼿段で社員へのリスキリングを実施していますか︖(複数選択)」への回答を企業規模別(社員数別)に区分したところ、下図の結果となった。
社員数1000⼈未満の中⼩規模企業においては、⽐較的始めやすい書籍などを⽤いた⼿法や、⾃社講師の対⾯研修が⼈気。1000⼈以上の⼤企業になると、オンライン研修(41.6%)やeラーニング(56.6%)などのオンライン環境を利⽤した⼿法が主流であった。
社員数1000⼈以上の企業のうち、リスキリング予算1億円以上が2割
リスキリング予算に関する質問では、社員数1000⼈未満の企業においては予算100万円未満が49%と約半数を占めた。社員数1000⼈以上の企業では、予算1000万円以上が約4割となり、そのうち1億円以上と回答した割合は2割であった。
リスキリングに踏み切れない理由
「リソース不⾜」と「社員教育の仕組み化ができない」
リスキリングを実施する企業が増える⼀⽅で、「リスキリングを実施できない理由(⾃由記述)」を質問したところ、下記の回答があった(⼀部抜粋)。
- 時間の確保が現状難しい
- リソースと予算がない
- 社内にそういった思想がない。リスキリングを⾏うなら、個々でやってくださいという考え⽅
- 会社に社員を教育する仕組みがない
⼈員・予算の「リソース不⾜」のほか、会社として「社員教育の⾵⼟がない」「社員教育の仕組みがない」といった回答が多く⾒られたという。
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