採用業務クラウド「採用係長」を提供しているネットオンは、採用係長の登録ユーザーである中小企業の人事・採用担当者を対象に、SaaSの利用に関するアンケート調査を実施した。
調査概要と結果は以下のとおり。
- 調査期間:2022年2月9日~15日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:「採用係長」利用事業所の人事・労務担当者
- 有効回答数:190件
88.4%が“SaaS”という言葉を「聞いたことがない」
“SaaS”という言葉を聞いたことがあるか質問したところ、「いいえ(=聞いたことがない)」と回答した事業所は88.4%。中小企業におけるSaaSの知名度の低さが明らかとなった。
“SaaS”の意味を知っている事業所は、わずか8.4%
SaaSの意味について質問したところ、91.6%が「いいえ(=知らない)」と回答。中小企業の大半がSaaSを知らないという結果となった。一方、「聞いたことがある」と回答した事業所のうち、72.7%はSaaSの意味を知っていた。同じ中小企業でも、SaaSの認知には大きな開きがあると同社は述べている。
SaaS型サービスを利用している事業所は27.4%
SaaSの意味を説明したうえで、現在利用中のサービスについて質問したところ、27.4%の事業所がSaaS型サービスを利用していると判明。16.3%の事業所が利用していると回答した「採用管理(採用サイト作成、応募者管理)」に続き、「勤怠管理(シフト管理、タイムカード)」「給与計算」のサービスが多く利用されていた。
今後の予定は、80%以上が「導入しない」
今後の導入予定についての質問では、82.6%が「いいえ(=導入の予定なし)」と回答。導入を予定している事業所は、17.4%にとどまった。導入意欲の低さが鮮明になっているという。
導入予定のSaaS型サービスは、「採用管理」と「Web面接」が同率1位
前の質問で「はい(=導入する予定)」と回答した事業所に対し、どの業務で利用を予定しているか質問したところ(n=33)、「採用管理(採用サイト作成、応募者管理)」と「Web面接」が同率1位となった。
人事・採用業務の課題
「人材確保」「時間とコストの無駄遣い」「人材の定着・育成」など
人事・採用業務における課題についての質問では35件の回答があり、その多くが応募獲得に関する内容であった。以下は回答の一部を抜粋したもの(※カッコ内は、業種/従業員規模/所在地)。
求人募集時の課題
- 応募が少なく、求める人材が採用できない(その他/5名以下/群馬県)
- 返信のない人や面接に来ない人、採用後に来ない人に費やす時間を無くしたい(コールセンター/50~99名/広島県)
- 面接の段階で業務への適性を見極めるのが難しい(医療/10~19名/神奈川県)
- 面接のドタキャンが多い(製造/20~49名/大阪府)
-
費用をかけたのに採用できないという状況を回避したい
など
採用後の課題
- 人材の定着、育成が課題(介護・福祉/100~299名/広島県)
- 採用後の評価システムを改善したい(運輸・物流/50~99名/三重県)
-
人事評価を見直したい(不動産/10~19名/埼玉県)
など
なお、同アンケート調査の詳細な内容は、同社が運営するメディア「採用アカデミー」にて紹介されている。
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