クアルトリクスは、日本を含む世界27ヵ国・地域を対象とした従業員エクスペリエンス(EX)のトレンド調査の結果を発表した。
同調査は2021年8月~11月の期間で実施され、現在雇用されている18歳以上の人で、フルタイムで働いている総計2万496人を対象に行われた。日本からの回答者は1020人であった。
※図1・3・4・5・6のグラフに表示された数値は、各テーマに関連する設問に対して「非常にそう思う」または「そう思う」と回答された比率の平均値。
※図2の「肯定的」は、「非常にそう思う」または「そう思う」、「否定的」は「そう思わない」または「全くそう思わない」、「中立的」は「どちらともいえない」を選択した回答者の構成比。
従業員エンゲージメントは低下
日本の従業員エンゲージメントスコアは、前回調査から8ポイント低下。世界全体やアジア太平洋地域全体が横ばいないし若干上昇したことからすると、日本の低下は特徴的な変化といえると、同社は述べている。2020年にはエンゲージメントが上昇していたことを踏まえ、コロナ禍初期に取られた会社・組織による各種アクションが一巡し、2021年はその反動で低下、さらに2022年にどのように変化するのか、注視すべきであるという。
仕事から得られる活力がエンゲージメントを左右
エンゲージメントを左右する要因(ドライバー)として、日常業務を通してやりがいやワクワク感などの活力を得ていることがトップとなった。加えて、見通しが不透明な世の中であるからこそ、将来に向けた自身のキャリアや会社に対する展望が、エンゲージメントのドライバーとして抽出されたことも特徴であるとしている。
そのほか、自社の変革に関して適切な説明などのサポートがあるか、自社の価値観に共感できるかなど、会社全体の方針や考え方に対する納得感が、エンゲージメントに刺激を与える要因となっていることが分かった。
日本でも「継続勤務意向」は低下傾向
1社に長く在籍しようという考えが、日本でも弱まっていることが分かった。特に若年層において、継続勤務意向が弱い傾向が見られるという。
リーダー/マネージャーの役割が重要
リモートワークの定着にともない、業務の進捗管理、協力・連携の促進、戦略や経営理念の浸透、業務分担、業績評価、成長機会の提供やスキルアップの支援など、リーダーやマネージャーにとって様々な仕事が難しくなってきている。また、今回の調査結果において、リーダーシップへの信頼感は低下していることが明らかとなった。
会社・組織には、マネージャーが的確なリーダーシップを発揮するためのトレーニングの提供や、処遇・職責範囲の調整などを通した支援が求められるという。
IT環境の整備が円滑な業務遂行のために不可欠
日本では、自社のIT環境が期待通りと捉えている従業員はわずか10%しかおらず、少数派であった。アジア主要国との比較においても、日本のIT環境が遅れている可能性があることには十分留意すべきだと、同社は述べている。
D&Iの促進が不可欠
日本でも「D&I推進」の動きはあるものの、アジア太平洋の主要国と比べて、従業員からみた進展度合いは不十分で、経営陣の取り組み姿勢も弱いといえる。
ウェルビーイングの充実
日本の調査結果を見ると、ウェルビーイングが大幅に低下していることが分かる。