日本マンパワーは、新入社員のキャリアへの意識や働くことの価値観に関する調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査期間:2022年4月
- 調査方法:オンライン上での選択式アンケート
- 調査対象:2022年4月に新卒入社した新入社員
- 回答数:500名
働く上で最も大事にしたい価値観は「心地よい環境にいること」が初の1位
働く上で最も大事にしたい価値観は、2010年の本調査開始時から継続して聞いており、調査開始以来初めて「心地よい環境にいること」が1位となった。2位以降は、「人の役に立てること」「自分の能力を発揮すること」「自分の望む生き方ができること」と、例年も回答数が多かった選択肢が並んだ。「人の役に立てること」については昨年よりも10ポイント以上下がった。
彼らが望む「心地よい環境」とはどのような環境なのか、理想の上司像について見てみると、全体結果と比較して「共感して話を聴いてくれる」「自分を尊重してくれる」「細やかな指示をしてくれる」「自分に興味を持ってくれる」といった選択肢が多く選ばれている。
また、理想のチーム像としては「メンバーの個性を活かしている」「失敗をサポートし合える」「自由を重んじる」といったキーワードが支持されている。一方で、「理想を追求する」「仕事の成果を大切にする」「強いリーダーシップを持ったメンバーがいる」といったアグレッシブな選択肢を選んだ人は少ない傾向にある。
理想の上司像における「細やかな指示をしてくれる」、理想のチーム像における「失敗をサポートし合える」といった回答は、新入社員が失敗や挫折を恐れていることのあらわれとも捉えられるという。失敗を恐れることは当たり前のことだとみなすならば、上司や先輩社員からの新入社員へのかかわり方も、従来の手法のみならず、工夫を重ねていく必要があるだろうと同社は述べている。
将来の自分像では「出世を希望していない」が最多
将来の自分像についての質問では「出世は希望していない」「特に考えていない」が最も多かった。「管理職になりたい」と明確に答えた人は16.6%であった。若年層が管理職になりたがらないという傾向が、この調査においても表れたという。
現在の会社を「10年以内に辞める」見通しの人が4割
現在の会社でいつまで働きたいかを問う設問では、「定年まで」「特に考えていない」という回答の多さが目立つ一方、約4割が10年以内には退職する見通しを持つと判明した。
なお、調査結果の詳細は下記ページから確認できる。
https://future-career-labo.com/2022/07/12/koike18/
【関連記事】
・新入社員意識調査の「製造業」編を発表、「今の会社で働き続けたい」が7割超えの安定志向―ラーニングエージェンシー
・新入社員が働きたい職場「お互いに助け合う」が過去最高、「仕事についていけるか不安」が最多―リクルートMS調べ
・「2022年度入社 新入社員レポート」を発表、自己成長を重視しチームでの仕事に関心高く―シェイク