マイナビは、「2023年卒企業新卒採用活動調査」を実施し、その結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査期間:2022年6月3日~6月20日
- 調査方法:WEBフォームより回答
- 調査対象:「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて案内、「マイナビ2023」利用企業担当者宛にメールマガジンにて案内、同社営業担当より各企業に案内
- 有効回答数:3176社(上場275社、非上場2901社│製造1262社、非製造1914社)
調査の結果(一部抜粋)については、同社は以下のように述べている。
23年卒の採用予定数について、「前年並み」が69.3%と最も高く、次いで「(前年より)増やした」の割合が前年比6.1ポイント増の22.1%となった。21年卒はコロナ禍で採用予定数を「(前年より)減らした」企業が2割を超えていたのに対し、22年卒以降は「増やした」が2年連続で増加しており、採用意欲が回復していることが分かる。【図1】
6月時点の採用充足率が「5割以上」である企業は44.3%(対前年比6.2ポイント減)で、コロナ禍前である20年卒の44.2%と同水準になった。採用活動における現時点での問題点は、「母集団(エントリー数)の不足(55.6%)」が前年比21.2ポイント増、「選考受験者数の不足(44.3%)」も前年比14.0ポイント増加した。
同社が実施した23年卒の学生調査によると、3月時点の就職活動の予想は「先輩よりも(かなり+多少)厳しくなる」が26.6%と前年比で34.0ポイント減少し、6月末時点での選考受験社数は「11社以上」の割合が46.7%で前年比6.1ポイント減少している。22年卒の学生はコロナ禍による危機感の高まりから活動量が増加したが、23年卒学生は危機感の緩和により活動量が減少。その結果、エントリー数・選考受験者数が減少し、企業の23年卒採用が前年よりも厳しい状況になったと推察される。【図2、3】
エントリーした学生の印象を聞いたところ、「前年と大体同じ印象」が54.5%で最多だったが、「前年よりも採用したいと思う学生が少ない」は前年比9.1ポイント増の25.2%となった。企業に「現時点での満足度の理由」を聞くと、採用したいと思う学生が少ない企業からは「適性・志望度は例年に比べ高くはない」「能力・自社マッチ度が充分な学生に内々定を出せていない」というコメントが見られた。
前述のとおり、23年卒の学生は応募企業を絞って選考を受ける傾向にあり、企業は前年に比べ幅広い層の学生と出会いづらくなったため、学生から受ける印象にも影響があったと考えられる。ただし、23年卒の学生はより志望度の高い企業を選定して活動しており、選考に参加した学生に対し「マッチングしていない」「志望度が低い」と感じることについては、学生と企業の間のコミュニケーションに課題があった可能性も考えられる。【図4、5】
「23年卒として採用する人材が入社何年後に活躍することを期待しているか」を聞いたところ、「3年目」が45.7%で最多となった。また、3年目以降の割合を合計すると81.7%だった。新卒採用は、数年後の状況を見越して実施有無や採用予定人数を決定しており、コロナ禍でも採用意欲が回復しつつあることや、入社後の定着を目指したマッチングが求められているのも、このような背景によるものと推察される。【図6】
採用広報で今後アピールすべきと思う項目について、「SDGsに取り組んでいること(31.6%)」が1位となった。また、上場企業においては「ダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいること」は21.2%で非上場企業の6.4%を大きく上回った。SDGsへの取り組みをはじめ、多様な価値観や働き方を促進していく姿勢のアピールが重要だと考えている傾向が、特に上場企業において強いことが分かる。【図7】
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