リファラル採用を推進する真の価値とは
FLUXは、今でこそ120名を超える組織規模の企業ですが、私が入社した2021年2月時点では、従業員数はまだ20名ほどしかいませんでした。そこから、100名近くのメンバーが増えていく中で、約30名のメンバーをリファラル採用経由で迎え入れています。30名という実数のインパクトももちろん大きいですが、それ以上に全社員が採用を自分事とし、一丸となって採用してきたことにこそ、最も価値があると考えています。
企業がリファラル採用へ注力する理由としては、一般的に次のようなことが挙げられるかと思います。
- 採用コストが抑えられる
- ミスマッチが減らせる
- 激化する採用市場の中で優秀な人材(転職潜在層)へアプローチできる
もちろん上記のような側面もありますが、私たちとしてはそれ以上に、リファラル採用へ至るまでの過程を通して、一人ひとりが会社について「知る」「理解する」「考える」機会となることが大切だと考えています。
いち社員として知人・友人に自社について説明することは、決して簡単なことではありません。普段の業務の中で会社について話すことと、リファラル採用のシーンにおいて、知人・友人に自社の特徴やポジションの魅力などを話すことは全く異なるからです。そういった意味で、リファラル採用を推進することは従業員数が増えること以上に、会社と向き合う機会として大きな価値があると考えているわけです。
リファラル採用を始める上で重視した3つの施策
人事がリファラル採用を推進する上で初めにぶつかる壁は、「全社員が一丸となって採用していこう」という企業文化・風土をつくることです。実は、FLUXでは創業期からリファラル採用が積極的に行われていました。事実、私が入社したときに在籍していたメンバーの多くは、創業メンバーによるリファラル採用経由で入社しています。
しかし、その当時はリファラル採用を全社で推進するような企業文化・風土はまだまだありませんでした。その頃は、会社の0→1に携わってきた創業メンバーと、それ以外のメンバーでは、採用に対する“熱”に差があったからです。
2021年3月、FLUXはシリーズAの資金調達ラウンドを完了しました。それに合わせて、採用を本格化させるフェーズに入った弊社で、1人めの人事である私が最初に注力したことこそが、人事機能の立ち上げと全社採用の文化醸成でした。
私には、人事として肝に銘じていることが2つあります。それは「人事だけで採用はできないこと」と「人事でないメンバーにとって、採用は大変な仕事であるということ」です。だからこそ、全社員を採用に巻き込んでいく上で「自社に興味を持ってもらうこと」と「採用に関わる負担を最大限下げること」を意識し、アクションを実施していきました。
具体的には、3ヵ月で大きく3つのコンテンツをMVP、つまり必要最低限でつくって展開していきました。
- 会社紹介資料
- 【目的】社員が採用候補者に対して、FLUXについて簡単に説明しやすくするため
https://speakerdeck.com/flux/we-are-hiring - 採用ページのリニューアル
- 【目的】FLUXについて直感的に理解しやすく、かつ興味を持っていただくため
https://flux-inc.notion.site/Entrance-Book-73ae1e59ee324fd88c68fc5f9d76628a - 採用広報記事のリリース
- 【目的】社員インタビューや事業の魅力を深堀りするようなコンテンツを通して、様々な切り口からFLUXを知ってもらうため
https://www.wantedly.com/companies/company_6459087/stories
これらのコンテンツを社員とシェアすることはもちろん、対外的なインパクトをなるべくファクトベースで社員に伝えることも重視しました。例えば、会社紹介資料は、SpeakerDeckというWebサービスにアップし、閲覧数が分かるようにしました。実際に、リリースから3ヵ月で1万人の方に閲覧していただけたことを社内に伝えたところ、みんなが喜んでくれたことを鮮明に覚えています。